“薄毛”に対する美容師の本音は?「透けていて恥ずかしい」「お金かけても…」悩める男性に提言、タイプ別おすすめ髪型も
■どの美容師も経験豊富とは限らない、薄毛カットで失敗しないために
――実際、薄毛でも似合う髪型はあるのでしょうか? 「限界はあるのですが、薄毛をわかりにくくすることはできます。実はそういった技術って、美容学校で教えてくれるわけではなくて。僕自身も駆け出しの頃、おでこが広くなっているカットモデルの方を通常通りカットしてしまい、想定より前髪がずいぶん短くなってしまった大失敗がありました。それ以来、薄毛の方のカットの勉強を始め、そうしたお客様の対応経験が豊富な先輩に、個別に教えてもらいました」 ――ということは、どの美容師さんでも薄毛にうまく対応できるわけではないんですね。 「得意、不得意はあると思います。SNSなどで、薄毛の方に特化した美容師さんもいるので、探してみるのもいいかもしれません。そうでなくとも、WEBやアプリ、電話で美容室の予約する際に、事前に薄毛であることを書き込んだり、伝えていただければ、経験ある美容師さんが担当してくれることも多いのではないかと思います」 ■つむじやM字、進行度合いによって似合う髪型は? 流行りのセンターパートもいける 一言で薄毛、AGAと言っても、人によってその状況は異なる。主には、3つのタイプがあり、まず「つむじ薄毛」型。これは頭頂部から薄毛が進行するパターンだ。次に「生え際後退」型。おでこが広くなっていき、M字型に進行していくことも多い。最後が「同時進行」型で、その両方が同時に進行していくというパターン。カンタさんに、タイプごとにオススメの髪型を聞いた。 【1】つむじ薄毛型 「カール感があるスパイラルではなく、ツイストっぽい無造作なパーマをオススメすることが多いです。透け感が緩和され、頭頂部へのボリュームも出ます。ほか、オールバックのような、7:3ぐらいのアップバング(前髪を立ち上げたスタイル)。ちょうどブラックマヨネーズの小杉さんのような形で、短めにしたほうが薄毛に目が行きにくいということもあります。AGAが進行している部分としていない部分で毛の伸びる早さも太さも違うので、長さで隠そうとすると余計目立つので注意してください。また、それほど進行していないのであれば、長めのソフトモヒカンだとスッキリして、薄毛も緩和されそうです」 【2】「生え際後退」型 「生え際から進行している方はトップに量があることが多いので、前髪を長めにした重めのマッシュが似合うのではないかと思います。また、いま流行りのセンターパートもオススメです。というのも、通常の毛量でセンターパートにすると、こめかみの上あたりの髪が膨らみがちになるんです。その点、M字部分の毛が少なめだと、そこの量感がちょうどいい感じになることも。ただ、かなり進行している方は要注意で、M字部分の肌が透けて見えて逆効果になることもあります。進行段階によって…ということになりますね。進行が進んだ方は、ショートのほうが目立たないです。おでこの中心を起点として、顔にひし形を作るようなアップバングで、眉毛の横に落ちるぐらいの長さをオススメします」 【3】「同時進行」型 「これは非常に難しく、どうしても薄毛はわかってしまいます。なので、限界はありますが、ワックスを使用する髪型にします。僕の場合は、前から見たときの印象を大事にし、王道のアップバングで合わせますね。また、これもパーマはボリュームが出るのでアリだと思います。進行具合にもよりますが、両サイドを刈り上げて頭頂部の残った髪を流す、外国人のようなヘアスタイルで、薄毛の部分も逆に見せるという形もあります」 【NG】 「例えば、かつて“バーコード”と呼ばれたような髪型。これは、ジェル系とかツヤ系のワックスで整えるのがよくないので、マットでツヤが出ないワックスをご利用ください。また、『長めに残したい、そのほうが隠せそう』と言う方も多いのですが、実際は逆です。基本はショートの方が薄毛は隠しやすいので、長く残すのはやめたほうがいいと思います」