中国企業、LiDARを半額に値下げへ EVへの搭載拡大見込む
[上海 27日 ロイター] - 自動運転用の3次元センサー「LiDAR(ライダー)」の製造で世界最大手の中国の禾賽科技は主力製品を来年半額に値下げする計画を明らかにした。電気自動車(EV)への搭載が普及すると見込んでいる。 デービッド・リー最高経営責任者(CEO)がロイターとのインタビューで述べた。 リー氏は半額に値下げすることで価格が15万元(2万ドル)以下のEVでもライダーを搭載する魅力が増すと指摘。それ以上の価格帯のEVではライダーの搭載率が40%に跳ね上がる可能性が高いとの見方を示した。 自動車部品取引プラットフォームのGasgoo.comによると、中国のEVとプラグイン・ハイブリッド車の現在のライダー搭載率は約24%。 ライダーはレーザー光を利用して車両の周囲の3次元画像を生成する。障害物の検知が可能になるため、自動車メーカーが開発する多くの自動運転システムの重要部品となっている。 リー氏は来年の値下げで「ライダーがEVの標準的な安全装置として普及する」とし、エアバッグやシートベルトのような存在になるだろうと述べた。 同社は来年発売する先進運転支援システム(ADAS)向け次世代ライダー「ATX」を現行モデル「AT128」の半額となる200ドル以下で販売する。 大幅な値下げは、ライダーを制御する半導体の自社開発や工場の稼働率向上で可能になるという。 同社は第3・四半期に7040万元(970万ドル)の純損失を計上したが、リー氏は前日、第4・四半期が収支トントンになるとの見通しを示した。 これを受け、米ナスダック上場の同社株は26日の取引で44%急騰した。