5人に1人はいる「繊細さん」。自信を失ったり、嫌われたかも?と悩んだり...、生きづらさ解消法を探る
人一倍感じる力が強く、周りの人が気づかない小さなことにもよく気づく。気を遣う場や苦手な人のなかで過ごすと疲れてしまう──。そんな繊細な人に向けた『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)がかつて話題になった。 【写真】夜眠れない、仕事でチャンスを受け入れない、外見を過剰に気にする…「中年の危機(ミッドライフクライシス)」かもしれない17の兆候 著書はHSP専門カウンセラーの武田友紀さん。実は武田さんは九州大学工学部を卒業し、メーカーで研究開発に携わっていた“リケ女”。ところが入社6年目にして突如「糸が切れたように」会社に行けなくなり、2 年の休職。その間にアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱する「HSP(Highly Sensitive Person)」という気質を知り、独学でカウンセラーに転向したという、ユニークな経歴の持ち主である。 自身もHSPであり、700名以上のHSPから相談を受けてきた武田さんは、次のように説明する。 「HSPは5人に1人の割合でいるといわれます。繊細さは性格や環境によるものではなく、持って生まれた気質。背が高い・低いというのと同じようなことです。病気ではないので克服するものでもありません。ただ感じる力が強いゆえ、生きづらさを感じることがあるのです」 繊細さんは、生まれつき繊細な神経システムの持ち主。周囲の人が対局にある鈍感さを持っていると、繊細さんの気持ちや言いたいことは、なかなか伝わらない。 「周囲の人は特に意識することもなくスルーしていくので、繊細さんは『自分が変なのかしら』と悩んだり、自分の感覚を疑うようになり、自信を失ってしまうのです」 「繊細さん」とは例えば、細かいところまで気づいてしまい仕事に時間がかかる、ストレスが体調に出やすい、相手が気を悪くすると思うと断れない、まわりに機嫌が悪い人がいると緊張する、長時間人と一緒にいると疲れてしまうなどがそう。
感じる力が強い繊細さんが、自分らしく元気に生きるにはどうしたらいいのだろう?
「まず、自分と他人との違いを知ることです。繊細さんは細かなことにも配慮できるため、相手から無遠慮な振る舞いをされた時に嫌われているのだろうか、自分が何かしただろうかと悩みがち。でも世の中には配慮するのが苦手な人もいますし、繊細でない人はそもそも細かい部分に気づきません。嫌われたのかと悩む前に、相手は配慮できる人なのか、観察してみるといいですね。 また、怒りや悲しみなどの相手の感情を感じたとしても『なぜそうなのか』という部分は予測にすぎないわけです。例えば友達の機嫌が悪い時に『今、怒っている?』と聞いてみると、『眠いだけよ』と予想外の答えが返ってきたりする。こうした検証を繰り返していくと、他人の反応や行動に振り回されなくなります」