オコエに牽制6度。それでもプロ初盗塁に成功!
プロ野球の楽天対ソフトバンクの2回戦が26日、仙台で行われ、楽天が2点差をおいつき、延長12回、3-3の引き分けとなった。注目は、途中の代走出場から、延長10回にプロ初盗塁を決めたオコエ瑠偉(18)の足。ソフトバンクは、なんと6度牽制で警戒した。球場のムードを一変させるスーパールーキーがチームに勢いをもたらしている。
試合が延長戦に突入したことでオコエにプロ初打席が回ってきた。 登場曲は、ドクター・ドレーの「ザ・ネクスト・エピソード」。場内を「かっとばせ!オコエ」の大歓声が包む。延長10回一死でマウンドには、ソフトバンクが誇るセットアッパー、バリオス。 オコエは冷静にボールを見極め、四球を選び出塁した。そこからが“オコエショー”の始まりだった。3-3の同点。ソフトバンクからすれば、得点圏にオコエに進まれるとサヨナラの舞台が整うことになる。ベンチのサインは「行けるならいつでも行け!」のいわゆるグリーンライト。足のあるランナーにだけ盗塁を許可するサインである。 オコエの足を警戒したバリオスは、なんと6球も牽制を入れた。その度にオコエは頭から帰塁。ユニホームは泥だらけになった。それでもオコエは狙っていた。 打者岡島、カウント2ボール1ストライクからの4球目。オコエはバッテリーの執拗なマークをはずしてスタートを切った。瞬間、オコエはバッターの方向を見たが、セカンドベースを間近にした最後の2、3歩が大きく加速した。そして突き刺すように右足を伸ばした高速スライディング。岡島のスイングにも助けられ、間一髪のタイミングで盗塁を成功させたオコエは、両手をつきだし、何やら奇声を挙げた。 「米村コーチにキャンプから『突き刺すようにスライディングをしろ!』とずっと教えられてきたので、その通りにしました。高校時代の技術ならアウトだったでしょう」 オコエは、試合後、プロ初盗塁をそう振り返った。 盗塁を許したソフトバンクのベテラン、鶴岡は悔しそうに首をかしげていた。