スカウトが熱視線を送るセンバツ注目の好投手10人 大阪桐蔭の怪物、栃木の怪童、サラブレッド左腕など多士済々
3月18日から開幕する第96回選抜高校野球大会(センバツ)。今大会から反発係数を抑えた「新基準バット」が導入され、投高打低の大会になる可能性が指摘されている。プロスカウトの熱視線を集める逸材は誰なのか? 要チェックの有望投手を10名ピックアップした。 【写真】2024センバツ スカウトが熱視線を送る注目の逸材20人 2024センバツ注目打者10人はこちら>> 森陽樹(大阪桐蔭2年/190センチ・86キロ/右投左打) 新2年生ながら、投手としての器の大きさは今大会ナンバーワン。順調に成長すれば2025年ドラフトの目玉になるだろう。昨秋時点で最速151キロを計測しているが、見るべきは数字ではない。今年も大阪桐蔭の投手陣はエースで速球派右腕の平嶋桂知、実戦派右腕の南陽人、ゲームメーカー左腕の山口祐樹、新2年生にも中野大虎ら実力者がひしめく。そんな豪華布陣のなかでも、森のストレートは1球見ただけで「モノが違う」とわかる。縦に鋭く変化するカーブ、フォークもスケール感があり、探究心や図太さも併せ持つ。大阪桐蔭は大会5日目に昨秋の北海道王者である北海と対戦。森の出番が仮に1イニング、1アウトだけだったとしても、刮目して登板を待ちたい大器だ。
今朝丸裕喜(報徳学園3年/187センチ・77キロ/右投右打) 最速150キロをマークする長身右腕。昨春は背番号10をつけ、センバツ準優勝を経験している。右腕が高いアングルから出てきて、縦にきれいに振れるためボールに角度がつきやすい。カーブ、フォークなどの縦変化も有効で、まだ潜在能力の底を見せていない点も魅力だ。高卒でのプロ志望を明言しており、今春は大きなアピールの場になる。実戦に強い間木歩との二枚看板は難攻不落で、昨秋の近畿大会ベスト8ながら今春センバツでは優勝候補に挙がるだろう。初戦は大会5日目に愛工大名電(愛知)との好カード。その後も難敵が続く「死のゾーン」を勝ち上がれるか。
小川哲平(作新学院3年/183センチ・92キロ/右投右打) まだ底を見せていない栃木の怪童。中学時代には最速144キロを計測し、高校進学時には「江川卓(元巨人)二世」ともてはやされた。下級生時に右ヒジを痛めたが、昨秋は復活して関東大会優勝、明治神宮大会準優勝に貢献。パワフルな風貌とは裏腹に、両コーナーを丁寧に突く実戦的な投球が目を引いた。球速より球質を追い求める姿勢も頼もしい。センバツ初戦は大会5日目に強打線を擁する神村学園(鹿児島)との好カードが組まれた。最速147キロのストレートにもう一段迫力が出てくれば、スカウト陣も放っておかないだろう。