点検整備の待ち時間解決が新車販売を伸ばす鍵になる! 既納客にとって新車ディーラーが「行きたくない場所」である現状
日本でも「進んで行きたくない場所」として数えられている
アメリカではかなり以前から、「歯医者と新車ディーラーには行きたくない」といわれていた。自家整備が原則のアメリカだが、いまやICE(内燃機関)車でもメカニズムが複雑で、おいそれと自家整備などはできない。そして、新車販売だけでは食えないこともあり、メンテナンスパックが標準付帯されるケースがほとんどで(無料点検のほか有償となるパッケージ以外の作業へのおすすめもできる)、ディーラーへ点検車両をもち込むという光景が一般化している。 実際アメリカのディーラーを訪れれば、整備工場の規模の差もあるが、日本の比ではないほど点検終了待ちをしている人が多く店内にいる。そして待たされる不満から前述したように「行きたくない場所」の代表として挙げられるようになっているのである。 そして、日本でももち込み点検が主流となって久しいので、ボチボチ巷では「すすんで行きたくはない場所」と広く認知されるようになっているように見受けられる。 日米共通だが、新車購入の際に時間がかかることも敬遠される理由になっているようだ。このように敬遠される傾向が強まってくると、新車を積極的に購入しようとする動きもなかなか期待できないともいえる。 それでは何か対策があるのかといわれれば、抜本的に解決する手段はなかなか見当たらない。ただ、担当セールスマンのフォロー次第でその不満のレベルは前後するものと考えている。 アメリカでは販売とその後のメンテナンス担当はきっぱりとわかれている。しかし、日本では納車後も担当セールスマンが次への乗り換えも期待して点検案内などのフォローをするのが一般的となっている。とすると、売りっぱなしに近いセールスマンでは不満は高まる。そこで、点検で顧客が訪れるたびに適度にコミュニケーションをとっていれば不満を和らげることはできるだろう。そのため、非効率とか人件費などのコストがかかることはあるものの、いまもって対面販売(リアル店舗を構える)を継続しているともいっていいだろう。
小林敦志