介護を受けることを考えるなら「どこで」「だれと」「どのように」暮らすかを想定することが鍵となる。定年退職後のライフプランの組み立て方を解説
どこで、だれと、どのように暮らすかを想定する
「どこで、だれと、どのように暮らすか」介護は生活課題の一つであるため、この3つについてあらかじめ想定しておく必要があります。 1. どこで? 「自宅で最期を迎えたい」、と考える方は多いでしょう。その場合、「どこで?」は「住み慣れた家」になるでしょう。 一方、自宅に帰っても家族が面倒を見ることは難しい、独り身のため自力で生活することができない……などの事情がある場合、「どこで?」は「介護施設など」になります。 2. だれと? 住み慣れた家で介護されながら生活したいという場合、だれにサポートしてもらいながら暮らすかが、生活上の課題になります。配偶者や子ども、介護職の方など、具体的な支援者を思い浮かべてみましょう。 一方、介護施設などで暮らす場合、具体的に生活を支援してくれる人は、施設に関係する職員になります。 3. どのように? 自宅で介護されながら暮らす場合、どのようなサポートを受けることができるかを、あらかじめ認識しておく必要があります。 例えば、介護保険サービスのうち、訪問介護を利用する場合、食事や入浴、トイレ、掃除、洗濯、買い物などについて介助を受けることができます。また、デイサービス(通所介護)を利用する場合、デイサービスセンターで食事や入浴、トイレ、レクリエーションなどのサービスを利用することができます。 一方、介護施設などで暮らす場合、介護保険制度を通じ、一連の入所サービス(食事や入浴、トイレ、掃除、洗濯、買い物、レクリエーションなど)を利用することができます。
まとめ
介護施設の種類や介護保険制度におけるサービスについては、紙面が長くなるため今回は言及しませんが、これまで伝えてきたように、介護は「どこで、だれと、どのように暮らすか」という生活上の課題といえます。これについてある程度イメージする過程で、経済的な課題や選択すべき方法が見えてきます。 昨今、お金ありきで介護を考える傾向があるように感じますが、これは単に、「介護というサービスを買うための原資をためる」という類いの話です。 大切なのは、「どこで、だれと、どのように暮らすか」です。支えてくれる場所があって、支えてくれる人がいて、どのように支えてくれるか……ということをあらかじめイメージするからこそ、ためるお金に価値が生まれます。 執筆者:重定賢治 ファイナンシャル・プランナー(CFP)
ファイナンシャルフィールド編集部