安倍元首相が「悪夢」と嘆いた政局へ突入…石破自民「来年夏の参院選」大敗は必然、その時何が起こるのか
重複立候補の問題点
今回の衆院選では、「裏金議員」は重複立候補が党本部から認められず、早々と落選が決まった。小選挙区制では、これが正常なはずである。有権者が落としたはずの議員がゾンビのように当選するのは異常だということを再認識させられた人が多いのではないか。 今の小選挙区比例代表並立制は、1996年の総選挙から実施されたが、小選挙区と比例の重複が認められる。比例当選の優先順位は、小選挙区での落選者の惜敗率による。 残念ながら、「小選挙区で負けても比例で復活すれば良い」という風潮が広まってしまった。それはおかしいというのを、今回の裏金議員の処遇で明らかになった。 これを機会に、単純な小選挙区制にするなどの抜本的改革を断行すべきである。小党が乱立するのも比例制の欠陥である。単純小選挙区制ならば、野党も一本化せざるをえないであろう。2009年の政権交代時には、民主党が一つの大きな塊になっていた。民主党は、「反自民、非共産」を旗印に、「政権交代」という4文字のスローガンで歴史的大勝をした。 そのことを想起すれば、野党が大同団結すべきなのだが、それは、今の状況では容易ではない。選挙制度の改革によって、そのきっかけをつくるのも一つのアイデアである。
舛添 要一(国際政治学者)