安倍元首相が「悪夢」と嘆いた政局へ突入…石破自民「来年夏の参院選」大敗は必然、その時何が起こるのか
10月27日に行われた衆院選は、与党の自民党と公明党が過半数に達しないという衝撃的な結果に終わった。野党の立憲民主党や国民民主党は大幅に議席を伸ばした。この変化の原因は何なのか。また、今後の日本の政治はどのように展開するのか。 【画像】石破自民の惨敗を予言していた「一枚の写真」
予想以上の自民党大敗
獲得議席数は、自民党が191(-58)、公明党が24(-8)で、合計215(-66)、立憲民主党が148(+50)、日本維新の会が38(-6)、共産党が8(-2)、国民民主党が28(+21)、れいわ新選組が9(+6)、社民党が1(±0)、参政党が3(+2)、保守党が3、無所属他が12(-10)である。 投票率は53.85%と低かった。その原因の一つとして、自民党支持者で棄権する者が多かったことが考えられる。 自民党が苦戦した最大の理由は、派閥の裏金問題である。岸田政権の失敗は、この問題に対して、一気に、そして大胆に改革を断行するのではなく、小出しに解決案を少しずつ示すという「戦力の逐次的動員」を行ったことである。ある改革を提案し、それに批判が強まると、また少し上乗せした案を示すという繰り返しで、かえって国民の反感を買ってしまった。 しかも、非公認候補にも、自民党本部から、公認候補と同額の2千万円の活動費が支給されたことが選挙期間中に明らかになったことが、火に油を注ぐことになってしまった。 自民党では、「裏金議員」と批判された46人の議員のうち、28人が議席を失った。下村博文、武田良太、高木毅といった大物議員が落選し、丸川珠代、衛藤征士郎、鈴木淳司らも議席を失った。一方、萩生田光一、西村康稔、松野博一、世耕弘成、平沢勝栄は当選した。 現職閣僚も牧原秀樹法相と小里泰弘農林水産相が当選できなかった。 また、公明党は11選挙区で4勝しかできず、代表の石井啓一代表も落選した。とくに牙城であった大阪の4選挙区で全敗した。自民党と連立を組んでいることに加えて、裏金問題で自民党から非公認とされた候補を推薦したことが、大きなイメージダウンとなったようだ。 一方、立憲民主党は50議席も増やしたし、国民民主党は議席を4倍に増やしている。自民党批判票の受け皿となった形である。特に、立民よりも保守的な国民民主党は、今回は自民党への投票を止めた自民党支持者の票を獲得したようである。 メディアの出口調査を見ると、無党派層の比例選への投票先は、自民党よりも立憲民主党のほうが多い。維新は、大阪では全勝したものの、全国レベルへの政党へと躍進することはできなかった。 れいわ新選組は、議席を3倍伸ばしたが、若者へのアピールが功を奏したようである。