実写『ブルーピリオド』でキャストが実際に描いた絵は?
東京藝術大学出身の漫画家・山口つばさの人気漫画を実写映画化する『ブルーピリオド』(公開中)から、主演の眞栄田郷敦をはじめキャストが実際に手掛けた絵画を紹介する。 【画像】眞栄田郷敦・高橋文哉・板垣李光人が描いた絵画 累計発行部数700万部を突破する同名漫画に基づき、からっぽだった高校生・矢口八虎(眞栄田)が1枚の絵との出会いをきっかけに、東京藝術大学を目指して邁進していくさまを追う本作。自分の「好き」について葛藤しながら日本画で藝大入学を目指すユカちゃん/鮎川龍二に高橋文哉、美術予備校に入った八虎の前に現れる天才少年・高橋世田介に板垣李光人、八虎の一つ年上の美術部先輩で、祈りをテーマに絵を描き続ける森まるに桜田ひよりがふんする。監督は映画『東京喰種 トーキョーグール』や『傲慢と善良』などの萩原健太郎。
本作では練習用に描かれたものも含めると本編に登場する絵画は合計401枚にものぼり、300枚以上が描き下ろされた。また、キャスト陣は撮影前に時に半年以上の時間をかけて絵画練習を行い、絵を描く所作や動きを体得。劇中に登場する絵画の一部は実際にキャストが描いたものが採用されている。眞栄田はクランクインの約半年前から、高橋、板垣、桜田は約3か月前から練習に励み、眞栄田の指導を海老澤功(絵画指導、新宿美術学院油画科講師)が、板垣と桜田の指導をかねてから原作者の山口つばさと親交があり原作にも絵を提供している川田龍(美術アドバイザー)が担当した。
劇中に登場する作品について、八虎は「青い渋谷」(作者:山口和真)、「縁」(磯崎隼人)、「自画像」(山崎裕乃)などが登場するが、「<勝利>をテーマに描きなさい」と題した作品は眞栄田自身が描いたもの。「勝利=自由。とにかく自由に描きました」とコメントを寄せている。
一方、劇中には登場しないが高橋は「りんご、ブロック、木材、電球」を生みだし、「日本の文化を大切とする岩絵具に触れることが出来て、楽しかったです」とコメント。板垣は自身の絵画指導を担当した川田を描いた「川田先生」を手掛け、「実体もですが川田先生が持つムードもしかと描写したく、努めました」とこだわりを語っている。
八虎が絵の面白さに目覚めるきっかけとなる、森まるの「天使の絵」は漫画家の灯まりもが手掛けている。(編集部・石井百合子)