このままでは「日本は失われた40年」へ突入する
しかし、今年は、有馬もドウデュースが取り消しても豪華メンバーと言われたが、東京大賞典は、さらに豪華メンバーが結集した。有馬はいくら豪華でもほとんど日本ローカル競馬だったが、こちらは、日本馬だけであっても、世界レベルの競馬になりそうだ。 ダート、芝を合わせても、いまや世界最高峰のレースはフランスの凱旋門賞ではなく、ドバイワールドカップか、アメリカのブリーダーズカップクラシックではないかと私は思う。
おそらく同意見であるJRAの矢作芳人調教師は、最高の自信作、フォーエバーヤングをサウジダービー、UAEダービーと使ってから、世界最高のダービー、ケンタッキーダービーに送り込み、3着惜敗とした。 秋は大井開催のジャパンダートダービーを使ってから再度アメリカに送り込み、ブリーダーズカップクラシックを取りに行ったが、またもや3着惜敗となってしまった。 そして、2025年の春はドバイワールドカップを取るために、ここで大井の東京大賞典を使うこととした。矢作師に、フォーエバーヤングの出走先として選ばれたのは2回ともJRAではなく、大井競馬であることを、NAR(地方競馬全国協会)は誇りに思っているだろうが、もっと宣伝に使ってもいいと思う。
ということで、ここはフォーエバーヤング。単勝。これに昨年の覇者ウシュバテソーロ、チャンピオンズカップ惜敗のウィルソンテソーロが、どこまで近づくことができるか。 有馬は豪華メンバーではあったが、レースは平凡でつまらないものだった。だが、ダート競馬特に大井競馬場ではそういうことはほぼありえず、これも、ダート競馬の優秀性、能力検定レースとしての価値の高さを示している。熱いレースを楽しみにしている。 ※ 新年は1月11日(土)配信の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
小幡 績 :慶応義塾大学大学院教授