このままでは「日本は失われた40年」へ突入する
これは日産に限ったことではなく、ほとんどの日本の大企業がそうだ。ホンダも、他社を救ったり利用したりしている余裕はなく、トヨタに助けてもらう以外に道はないほど追い込まれているのに、その状況にも目をつぶっている。トヨタと中国・韓国メーカー以外はテスラが残るかどうかという現状を、ほとんど誰も見ようとしていないのが問題なのだ。 もちろん、こうではない日本企業も数多くある。それらの企業は、政府や経済学者やメディアの1980年代への郷愁にまみれた世界とは距離を置き、かかわらないようにして、日本から精神的に脱出を図っている。
しかし、政府と経済学者はそれではダメなのだ。2025年は、まず経済学者が新しい日本の経済モデルを提示し、それを政治に対して説得することから始めなければならない(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースなどを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。 競馬である。 1年の総決算の競馬と言えば、ひと昔前は有馬記念だった。だが、ギャンブラーは一般的に、最大のゲームの後、それで失った分を取り返そうとして、残り全部賭けるものだ、という習性を利用するのが、胴元のセオリーだ。JRA(日本中央競馬会)も、メインの後の最終レースでそれを行うだけではなく、有馬記念という世界最高の競馬ギャンブルレースの後に、宴の後として、中山競馬場で行われる2歳チャンピオン決定戦、ホープフルステークス(芝コース、距離2000メートル、G1、今年は12月28日)を持ってくるようになったのが、2017年である。
■2024年の締めくくりは東京大賞典で勝負する しかし、競馬の締めくくりが2017年から有馬からホープフルに変わった、と言ってしまっては、競馬ファンとしては素人だ。正しい競馬ファンは、締めくくりは常に、大井競馬場で行われる東京大賞典(ダートコース、距離2000メートル、G1、今年は12月29日開催)なのである。 私も若いころは、盟友たちと大井に行き、勝っても負けても夜開いている築地の鮨屋で打ち上げをし(これこそ本当の打ち上げだ)、そのときの彼らの懐具合で、銀座に繰り出すか、誰かの下宿先(古い言葉だ)に押しかけたものである。