【闘病】40代で“乳がん”に。「がんと縁がないと思い込んでいた」周囲の精神的な支えで乗り越えた闘病生活
共に乳がんと闘う仲間の存在が苦しかった時期の支えになった
編集部: 乳がんの手術は2度行われたそうですが、いつ頃行われたのですか? みゅう子さん: 乳がんの診断を受けたのが2022年3月中旬頃で、約1カ月後の4月下旬には右乳房全摘出術と乳房同時再建術を行いました。同年5月に病理検査の結果が出て、ステージ3A、腫瘍浸潤径6cm、乳管内病変を含めた全体の腫瘍径9cm 、断端陽性のため追加手術が必要とのことでした。断端陽性とは「手術で切除した範囲の端までがん細胞が確認された」というものです。同年6月にはオンコタイプDXで乳がんの検査を行い、二カ月後の8月に再入院と追加手術、そして乳房再建術を行いました。 編集部: 手術後は化学療法なども行ったのでしょうか? みゅう子さん: 乳がんの遺伝子検査であるオンコタイプDXの結果を受け、化学療法は行いませんでした。2022年9月から半年に1度のリュープリン注射、タモキシフェンの内服は続けていて、3カ月に1度の受診も継続中です。2022年10月から11月の間は30回放射線治療を行いました。今のところリュープリン注射の影響もあってか生理の中断はあるものの、副作用のホットフラッシュや気分の変化は一切見られていません。 編集部: 術後の後遺症や気になっている症状などはありますか? みゅう子さん: 手術をしてから術側の激しい肩こりに悩まされているのと、右腕にある少しのむくみが気になっています。ですが私の場合は、抗がん剤治療を行っていない影響もあって日常生活を支障なく過ごせています。2回目の手術から5カ月経過した頃には、趣味のスノボが楽しめるくらいまでに回復しました。 編集部: 当時の過酷な状況で気持ちが落ち込んだ時に支えになったものはなんでしょうか? みゅう子さん: 仲間の存在です。診断されてすぐ、孤独に耐えられずがんサバイバーとその家族のコミュニティサイトに登録しました。孤独な胸の内を打ち明けたところ、たくさんの方が支えてくださいました。みんな私と同じような経験をしたがんサバイバーなので、有益な情報を教えてくれ、初めて「がん相談支援センター」の存在を知ることができました。それまでは闇雲に情報を調べて不安になっていましたが、「あなたは一人じゃないよ」と声をかけられたとき、思わず泣いたことを覚えています。また、2回目手術の時には同時期に私を含め4人乳がんの手術をする人がいて、「ワンチームだよ、みんなで頑張ろう」とみんなで声を掛け合ったのが心の支えでした。 編集部: もしも病気を発症する前の自分に伝えたい言葉があるとしたら、どんな助言をしますか? みゅう子さん: がんになる前は毎日お酒を飲み、たまの飲み会でもお酒の強さを自慢にたくさん飲んでいました。しょっぱいものも好きで、頻繁に食べていたカップラーメンの汁は全て飲み干し、食べ物には一切気を使っていませんでした。過去の自分に助言できるなら、「普段から生活に気を付けること」と、「体に起きた異変を放置しないこと」と伝えたいです。