[奇天烈的なパッケージ] マツダを立て直した救世主!!!!! 初代[デミオ]は何がすごかったのか!?
当時はマツダの救世主とも言われ、その功績は現在でも伝説として語り継がれている初代デミオ。今までになかった新コンセプトを生み出した「マツダ・スピリット」を振り返っていこうじゃない!! 【画像ギャラリー】使い勝手良すぎ!!!!こんなにシートアレンジできるの!?初代[デミオ]が優秀すぎた件(13枚) 文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
■マツダらしい単純明快なコンセプトとそれに呼応する開発陣
1996年に登場した初代デミオ。すべてが新規開発というわけではなく、既存のコンポーネントを多数活用して、短期間で発表・発売までこぎ着けた1台だ。しかし、そこに込められた想いはマツダの魂そのものだった。 「新しい楽しさにあふれたクルマを作ろう」、「乗る人の生活や個性に応えるクルマをつくろう」、「世界中の人々が信頼をはぐくむクルマを作ろう」。これがデミオ開発時のマツダのビジョンであり、ファミリアの時代から現代まで受け継がれる信念である。 当時はこれを「That’s MAZDA」と呼んだ。そして新ジャンルの自由形ワゴン、デミオが誕生したのだ。 運転しやすいコンパクトなクルマと、たくさん荷物の積めるクルマ。相反するとも思われたこの2点を両立したのがデミオの凄さだ。そこには、たくさんのアイディアと同時に、多くの「割り切り」があった。
■小さく見えて、大きく乗れる!コレまさしくデミオ
デミオのボディサイズは、全長3,800mm×全幅1,670mm×全高1,535mm。現行のマツダ2でも全長が4mを越えているから、初代デミオがどれだけ小さいクルマだったのか、お分かりいただけるだろう。 このボディサイズで、室内長1725mm、室内幅1375mm、室内高1240mmを作り出す。そして、広さを感じられる様々な工夫が盛り込まれた。 広大な室内空間のヒントになったのは、当時大流行していたミニバンだ。コンパクトカーながら、そのボディ形状に流麗な部分はほとんどなく、非常にスクエアに造形されているのがデミオ。これにより頭上スペースはもちろんのこと、肩まわりにも広い空間を作り出している。 また、リアシートはフロントよりもヒップポイントを高くし、見晴らしを良くした。いずれも、ミニバンでよく使われる技法だ。 おまけに、リアシートが160mmも前後スライドできるのも、5:5分割で左右独立して17段階のリクライニングができるのも、ミニバン顔負けの機能。さらにリアシートにはダブルフォールディング機能を備え、ラゲッジスペースのフロアを広くするとともに、ラゲッジスペースに深さを与えている。 この深さと広さが、2名乗車時にマウンテンバイク2台を収納する驚異のラゲッジスペースを生み出した。今の若者が初代デミオを見たら、自転車2台が入るなんて想像できないだろう。