物価高騰とゼロ金利の食い合わせ、実質40兆円「インフレ税」にご用心
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急激な円安とインフレのなかで金融政策への批判が高まっている。「異次元緩和」については、マクロ経済的な観点から様々な議論があるが、ひとつだけここへきて間違いなく「大成功」と評価できる(?)点がでてきた。財政再建への貢献である。 10月のインフレ率が前年比3.6%に達する一方、金利が長期も含めてゼロ近傍に抑えられている事で、1100兆円(2022年6月末)という個人の現預金が40兆円近く目減りしたことになる。インフレを通じた資産の目減りは、増税と同じ効果を生むことから「インフレ税」と称される。 40兆円を増税で賄おうとすれば、消費税なら1年間20%という、ほとんど政治的に不可能な引上げが必要になる。これだけの実質増税がマスコミ等で話題になっていないステルス性が、インフレ税の恐ろしさだ。
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中原秀雄