苦節19年 焼津市職員、念願の全国CDデビュー 牧野さん"プロ歌手"の夢つかむ
焼津市商工観光課の職員でシンガー・ソングライターとしても活動する牧野憲人さん(34)が昨年12月、全国CDデビューを果たした。苦節19年で念願のプロの舞台に到達。市から兼業許可を得て二足のわらじを履き、「公務を第一にしながら、自分の歌で焼津の魅力を発信していけたら」と意気込んでいる。 ■「歌で地域の魅力を発信」 静岡市駿河区出身の牧野さんは中学3年で音楽を始めた。友人と組んだバンドではドラム担当だったが、作詞作曲にも取り組むようになり、大学の途中からはソロで活動。プロを目指してオーディションにも参加したが、音楽事務所との契約にはあと一歩届かず、地元の金融機関に就職した。 ただ、県内外のライブハウスなどで活動は継続。2017年には駿河区のキャラクター「トロベー」の公式応援ソングを制作した。「音楽を通じたまちづくりをしてみたい」と19年には焼津市役所に転職。焼津にちなんだ曲を手がけるなど活動を広げる中、レコード会社の目に留まり、デビューの話が舞い込んだ。 CDに収録したのは出会いと別れをテーマに20代で作詞作曲した「銀河鉄道」「三日月の晩」の2曲。昨年12月24日に市内で開いたデビュー記念イベントで披露し、集まった約130人のファンや市民を魅了した。「ようやく形にできてほっとしている」と喜びをかみしめる。 デビューはあくまで今後に向けた新たな一歩。次なる目標には焼津を歌った曲の全国リリースを掲げる。公務員と歌手を両立する今の日々には充実感を覚えていて、「こういう夢のかなえ方もあることを知ってほしい」と思いを込める。 CDは静岡、浜松両市の3カ所の音楽店で販売している。「クラウン徳間ショップ」のオンライン通販でも購入できる。税込み1350円。
静岡新聞社