デビュー戦は“まさかの結末”「浮足立っていた」 巨人で挫折経験…真価問われる29歳
仙台育英で甲子園出場も自身はスタンド応援→大学は4年間首都リーグ2部
「チャンスで2度回ってきましたが、浮足立っていたというか、正直言って、今日は自分のスイングがあまりできませんでした。普段通りでない感じで試合に入ってしまい、思い切ってやろうとは思っていたのですが、空回りしてしまった部分があります」と悔やむ。今季は巨人で開幕1軍を果たすも出場9試合、打率.154(13打数2安打3四球)で、4月15日以降は2軍暮らしだったとあっては、無理もないだろう。 前日(25日)の移籍会見で、29歳は「僕は育成選手としてプロに入ったこともそうですが、高校時代もレギュラーではなかった。ちょっとした挫折ではくじけない。雑草魂というか、そういう部分では負けないと思います」と語った。実際、宮城・仙台育英高3年の夏、チームは甲子園出場を果たしたが、当時内野手だった松原はベンチ入りメンバーから漏れスタンドにいた。明星大で外野手に転向し成長したが、チームは在学4年間を通じて首都大学リーグの2部にとどまり、注目されることはなかった。 そこから育成ドラフト5位で巨人入り。5年目の2021年には1軍で規定打席をクリアし、打率.274、12本塁打、15盗塁をマークするまでにのし上がった。翌年以降は新外国人選手の加入などで出場機会を減らしたが、1度は巨人でレギュラーの座をつかんだのだ。 渡辺久信GM兼監督代行は松原の新天地デビュー戦を「1打席目もいい当たりだったし、最後も本当に惜しかった。結果的にヒットは出なかったですが、これから戦力になってくれると思います」と評した。松原にとってはハードラックな再スタートとなってしまったが、後々笑って振り返られるようになればいい。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki