実機で確認 iPhone 16、Watch、AirPods新機能の「価値とインパクト」
「補聴器」の代わりにAirPods Pro 2がなるわけではない
なお、アップルはAirPods Pro 2のソフトウェアアップデートにより、ユーザーの聴覚の健康をサポートする機能が加わることを発表した。「難聴」という疾患は年齢にかかわらず誰もが抱えるリスクを負っている。特に今は耳に負担をかけるヘッドホン・イヤホンのようなポータブルオーディオ機器が普及しているし、都市部に生活していると聴覚に影響を与えかねない大きな環境騒音に意図せず晒されている場合もある。 AirPods Pro 2に追加される聴覚の健康をサポートする機能は、ユーザーに難聴のリスクを予防するための手段としてイヤホンを活用したり、聴覚の状態をチェックする機能(健康診断などでなじみ深い聴覚検査のような機能)、音の聞こえを補助するための集音機能を「3つの柱」としている。 それぞれの使い方は、今秋以降に予定されているAirPods Pro 2のアップデートが実施された後に、また機会があれば紹介したいと思う。現時点で1つ確認すべき重要なことは、AirPods Pro 2で利用できるヒアリングチェック機能とヒアリング補助機能はいずれも科学的根拠に基づいて開発されているが、医療行為を目的としていないということだ。難聴を抱える方々が利用するため、厚生労働省が薬事法に基づく管理医療機器として認定する「補聴器」の代わりにAirPods Pro 2がなるわけではない。 補聴器を利用するためには専門医による診断と、個人の耳の聞こえに合わせて行われる入念なフィッティングが必要だ。自身の聞こえに不安を感じている方は医療機関を受診することをおすすめする。そのうえで軽度~中等度難聴者と診断を受けた場合には、管理医療機器の認証を取得した補聴器でありながら、ワイヤレスイヤホンのように気軽に身に着けられるシャープの「メディカルリスニングプラグ」などの購入を検討するとよいだろう。
山本 敦