インドネシアがサムライ債総額2000億円、日銀利上げ後初
(ブルームバーグ): インドネシア共和国が17日、総額2000億円のサムライ債を起債した。日本銀行が3月にマイナス金利政策を廃止してから初めてのサムライ債となった。
起債したのは3年債から20年債までの計7本。このうち3本はブルーボンドとして発行し、海洋保護や気候変動緩和のための資金を調達する。インドネシアの円建てブルーボンドは昨年に続き2回目。
プラボウォ次期大統領が1兆3000億ドル(約203兆円)規模の経済活性化に向け新首都建設などの歳出拡大を計画する中、インドネシアの資金調達ニーズは高まっている。日銀が2007年以来となる利上げを実施し、円建て債の平均発行コストは上昇しているが、国際的には依然として最低水準にある。
みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストは、「サムライ債は平均的に国内発行体に比べてスプレッドがワイド」だとし、投資家にとって今の水準は魅力的だと述べた。今回の起債規模に関しては「これから金利が上がるのでまとめて出したかったのもあるのではないか」と話した。
ブルームバーグ指数によると、国内外の発行体による円債の平均発行利回りは今週半年ぶりに1%を超えたが、ドル債の利回り約5.4%を下回る。
インドネシア政府は今年、約320億ドルの資金調達を計画しており、1月にはドル建て債を発行した。サムライ債を最も頻繁に発行する海外発行体の一つで、昨年のブルーボンドは同債として初めての発行だった。
--取材協力:Finbarr Flynn.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Takahiko Hyuga, Ayai Tomisawa