日本時代に開業 台湾初のデパート跡地で当時の繁栄紹介する特別展
(台北中央社)日本統治時代の1932(昭和7)年に台湾初のデパートとして開業した「菊元百貨店」の跡地で、当時の繁栄を伝える特別展が開催されている。26日には開幕式典が開かれ、蒋万安(しょうばんあん)台北市長は、展示や座談会などのイベントを通じ、建物の歴史的意義や今後の保存方法などを理解できると語った。 菊元百貨店だった建物は、当時の台湾の民間施設で最も高い7階建てで、一般人が利用できる台湾初のエレベーターを設置していたとされる。戦後は商業施設などとして利用され、現在は大手デベロッパーのキャセイ・リアルエステート・デベロップメント(国泰建設)が所有している。2017年には台北市文化局が歴史建築として登録した。 特別展は国泰建設と民間団体が協力して開催した。キュレーターで清華大学科技芸術研究所(北部・新竹市)の邱誌勇所長は、建物は多くの人の手に渡り、外観には大きな変更が加えられたものの、幸運にも解体や破壊を免れたと話す。展示では内部の構造からその変化の跡をはっきりと見られると語った。 会場では当時の外観を再現した模型やにぎわいを表現した写真などの展示の他、人工知能(AI)を通じて創業者の重田栄治が話しかける仕掛けもある。特別展は来年1月5日まで、毎週木~日曜日に参観可能。 (邱祖胤/編集:齊藤啓介)