米国シカゴ地元メディアが「ホワイトソックスは筒香嘉智の獲得調査をすべき」と強烈プッシュ
メジャー移籍を求めポスティング申請を15日に行った横浜DeNAの筒香嘉智(27)の移籍先を巡り、シカゴの地元メディアが「ホワイトソックスは筒香の獲得調査をすべき」との注目記事を掲載した。オンラインサイトの「シカゴ・ナウ」が発信したもの。 ホワイトソックスGMのリック・ハーンが9月の終わりに発言した「DHがオフシーズンで扱う補強ポジションにある」とのコメントを引き合いに使い「ホワイトソックスはチームの穴を埋めるために海外選手へ目を向けるかもしれない。日本プロ野球から獲得可能となる左の強打者、筒香嘉智だ。日本の橋本(和歌山)で生まれた筒香は2009年のドラフトでセントラルリーグに入り、10シーズンを通じて4000打席を積み重ねた。横浜ベイスターズのポスティング申請によって、まもなく28歳となる筒香はメジャーリーグでフリーエージェント選手とみなされる」と伝えた。 記事は、筒香は183センチ、91キロの体格があり、この6年間好成績を続け、キャリアハイとなった2016年には、44本塁打と110打点で2冠を獲得、打率.322もリーグ3位であったことを紹介。この6年に794試合で185本塁打、168二塁打、542打点を記録し、平均打率.298、平均出塁率.397、平均長打率.559(打者指標のOPSは.956)だったという数字を記して、「素晴らしい選球眼も見せ、過去4シーズンでは少なくとも80四球を選んでおり、キャリアにおける四球率は13.3%を誇る」と続けた。 ただ「筒香にはいくつかの弱点もある」と問題点も指摘。
「守備面で(問題があり)外野でのポジション起用は制限され、ほぼDHだけの起用になるだろう。彼はまた三振も多い。日本でのキャリアでは打席の2割あまりで三振を喫し、2019年は、131試合で141三振をしている」と厳しい意見も書かれた。 また筒香の希望条件を「1年平均800万ドル(約8億7000万円)から1000万ドル(約10億8000万円)で2年から4年の契約を希望していると思われる」とした上で「ホワイトソックスは予算的に獲得可能だ。この左打者の獲得機会を逃すと自らの首を絞めることになるかもしれない」と、筒香獲得をプッシュした。 今季アメリカン・リーグ中地区の3位でシーズンを終えたホワイトソックスはDHを固定できずに苦しみチーム本塁打数は182本に留まり(リーグ13位)低迷した。終盤に来季を見据えて24歳のザック・コリンズをDH起用していた。同メディアは、「筒香を獲得すれば、コリンズからは理論上、DHのポジションは取り上げられる。彼はオールスター選手(のアブレイユ)と競いキャリアで21度しか守ったことのない一塁のポジションでプレーすることになる」と来季構想にも触れ、筒香を獲得した場合、DHだったコリンズが、今季チーム最多の33本塁打を放ったホセ・アブレイユと一塁のポジションを争うことになると予測した。 記事は、「筒香は今季成績をやや落としたが、チーム貢献に関しては評価された。確かに海外の選手を最高レベルの野球の舞台(メジャー)に連れてくることにはいつでもリスクが伴う。だが、ホワイトソックスは20本から30本の本塁打を期待できる若く安価なフリーエージェント選手(筒香)に挑戦の機会を与えようとするだろうし、ホワイトソックスは筒香獲得の(交渉の)席に着くべきなのだ」と締めくくった。 ホワイトソックスで過去にプレーした日本人は、ヤクルト監督に就任した高津臣吾とロッテ監督の井口資仁の2人。井口監督はセカンドとして世界一にも貢献した。 筒香に関しては、27歳という年齢に加え、その選球眼の良さと適応力の高さが評価されており、メジャーでも20本から30本の本塁打が期待されている。ホワイトソックスだけでなく、インディアンス、ロッキーズ、ジャイアンツ、マリナーズの5チームが興味を示しているとも言われている。また「3年総額2000万ドル(約21億7200万円)のオファーをしてもおかしくない」とのスカウトの声もある。すでにポスティング申請を行っている筒香に、どの球団が獲得へ乗り出しているのか。日米の注目が集まっている。