ダルビッシュ 大谷を3打席完封 経験と技の投球術 敵地ファンのごみ投げ込みトラブル「すごく意識しました」
「ナ・リーグ・地区シリーズ、ドジャース2-10パドレス」(6日、ロサンゼルス) ナ・リーグの地区シリーズ(5回戦制)第2戦が行われ、パドレスのダルビッシュ有投手(38)がロサンゼルスでのドジャース戦に先発し、大谷翔平選手(30)を3打席無安打に抑えるなど7回1失点の好投で勝利投手になった。元ヤンキースの田中将大(現楽天)に並ぶ日本投手最多のポストシーズン通算5勝目。「1番・指名打者」の大谷は4打数無安打だった。対戦成績は1勝1敗となり、第3戦は8日にサンディエゴで行われる。 絶対に連敗を許されない大事な一戦。両軍最年長のダルビッシュが芸術的投球でメジャー屈指の上位打線を手玉に取った。「7回を投げられましたし、球数も少なかった。チーム全体としても、自分としても良かった」。大舞台でハイクオリティースタート(7回以上、2自責点以下)を達成し、充実感いっぱいの表情を見せた。 メジャー13年で7度目のプレーオフ(右肘手術リハビリの15年含む)。平常心で自身13度目のマウンドに立った。「起きてからも全く緊張がなかったですし、落ち着いてました。さすがに38歳なのでガチガチに緊張はしていられないというところです」 味方打線の援護を受けた後の初回。リーグ2冠の大谷とのマッチアップが実現する。4月14日以来の顔合わせ。4種類の球で内角を攻めてカウント2-2と追い込み、最後は5つ目の球種、140キロスライダーを外角低めに決めて空振り三振を奪った。経験と技が詰まった投球術で敵地スタンドを沈黙させた。 第2打席は一ゴロ、第3打席も投ゴロに封じて、前夜1号3ランを含む2安打の大谷を“完封”。「球種だけでなく、反応も見ながら、セットに入ってから長く(ボールを)持ったり、足の上げている時間を変えたりとかを全体的にしていました」。全身全霊で球界最強打者を抑え込んだ。 3点リードの七回には、興奮した敵地ファンが外野席からグラウンドへボールやごみを投げ入れるなどのトラブルが発生し、試合が約10分間、中断した。「あんなこと経験したことなかった。とにかくこのイニングに点を与えないこと。流れが変わってしまうかもしれないのですごく意識しました」。集中力を切らさず、1死二塁のピンチを無失点でしのいだ。 7回82球1失点。大谷、ベッツ、フリーマンのMVPトリオには1本も安打を許さなかった。22年のド軍との地区シリーズ第2戦以来のポストシーズン白星。田中将大に並ぶ日本投手最多の通算5勝目を手にした。 第3、4戦は本拠地に戦いの舞台を移す。「チームの雰囲気はすごく良かった。いい方向に行けばいいかなと思ってます」。2年前も初戦を落としながら、自身の勝利もあって、その後3連勝でライバルを退けており、その再現を見据えた。