転職エージェントが「退職代行」をすすめない理由 「もし出戻りしたくなってもできなくなる」
新設されたプロジェクトに呼ばれる場合も
Aさんが指摘する通り、前述の調査でも「あわよくば出戻り」という人は意外と多いという結果が出ている。元所属企業とのつながりを希望する回答者に、期待する内容を尋ねたところ「元所属企業からの求人や業務委託情報の発信」が全世代で最多となった。 特に20代では65%と非常に高く、30代では32%、40代では39%、50代では29%に。元社員として業務委託で仕事を請け負ったり、場合によっては「出戻り転職」をしたいと考える人は、若い世代ほど多い。 再入社の意向については、20代では「積極的に再入社したい」が19%、「条件が合えば再入社したい」が41%で、あわせて6割にのぼった。しかし、30代では「積極的に」「条件が合えば」を合わせて36%、40代では同42%、50代では同22%と多くない。 どのような理由で再入社したいか。理由を尋ねたところ、20代では「新設された部署やプロジェクトに携わりたいから」と「退職時より昇給・昇格が見込めるから」がそれぞれ23%、「一度外に出て学んだ経験を活かして活躍できそうだから」が20%となっている。 30代と40代では「一度外に出て学んだ経験を活かして活躍」が最も多く、30代では22%、40代では26%を占めた。50代では「社内の人間関係や仕事内容などを理解できているから」が最多で31%だった。 この点についてAさんは、リファラル(人づての紹介)で若手のアルムナイに声をかけるケースは増えていると明かす。 「いまどこの会社でも、経営戦略で事業ポートフォリオの変革を掲げ、既存事業の生産性向上や新規事業の立ち上げをやりたがっています。しかし、既存の社員だけではノウハウが足りずに進められない場合が多い。そのときに、どうしても社外から経験者採用をする必要があるわけですが、もし会社の内情や課題を理解している元社員が社外で経験を積んでいたら、ぜひ出戻りしてほしいと思うでしょうね」