【シンガポール】建物3Dモデルのデータラボ、現地社と提携
建物や地形の3Dモデルの作成ソフトウエアを開発するデータラボ(DataLabs、東京都中央区)は13日、シンガポールに本拠を置き、建設業向けサービスを展開するRATECアジアと業務提携したと発表した。プレキャストコンクリート関連ソリューションを共同展開し、東南アジアの建設市場に本格参入する。 RATECアジアは2017年設立。建材や建設関連機器を手がけるドイツのRATECグループの傘下にあり、磁気型枠技術などを使ったプレキャストコンクリートによる建設ソリューションを提供している。事前に工場で製造して建築現場に供給するプレキャストコンクリート工法で卸売業や流通業に強みを持つ。 シンガポールの建設現場ではプレキャストコンクリート工法が主流だが、配筋(コンクリート構造物で鉄筋を適切な位置や量で配置すること)完了後の検査時に、検査作業の非効率性から建設工程の遅延が発生。納期にも影響が出ているという。 データラボは、建築部材の情報を3Dモデルとひも付ける「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」技術を活用した3D配筋検査システム「モデリー(Modely)」を開発。専門検査員が現地に赴かなくても配筋が設計通りに組まれているかを遠隔で検査できるようにしている。 両社は今回の提携を通じ、シンガポールを含む東南アジアでモデリーを共同展開し、配筋検査に使う遠隔システムとしての登録・標準化を進める。建設業界で施工の遠隔検査を推進しているシンガポール建築建設庁(BCA)とも連携しながら、業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)化に貢献したい考えだ。