NPBの“3割打者減少”に韓国メディアも注目 10年間での激減ぶりを強調「2014年は19人いた」
2024年のプロ野球では、ソフトバンクの近藤健介が打率.314で首位打者に輝き、パ・リーグのMVPを初めて受賞した。現時点でのNPB現役最強打者との呼び声も高く、V奪回を果たしたソフトバンクの主軸として打棒を奮ったバットマンの価値が改めて評価されたシーズンだった。 だが昨年は、その近藤以外、日本人で3割打者が不在というプロ野球史上初めてとなる記録が残された一年でもあった。セ・リーグでは首位打者となったDeNAのタイラー・オースティン(.316)、さらにヤクルトのドミンゴ・サンタナ(.315)と、リーグ上位2名に名を連ねた両外国人が3割をマーク。日本人最高では、DeNAの牧秀悟が.294でリーグ3位に入っている。 シーズン中から3割打者の少なさが大きな話題となり、結果的に両リーグ合計が歴代最少となる3人にとどまった。さまざまな要因が考えられるものの近年、NPBの3割打者が減少傾向にあったことは間違いない。また、今季の記録については海外からの関心も向けられており、韓国メディア『スポーツ朝鮮』が1月2日、特集記事として扱っている。 その中では、今季のNPB打撃成績を振り返っており、「精巧な打撃を誇る日本人打者が近藤健介1人だけというのは驚きだ。近藤は2023年の.303に続き、2年連続で3割台に乗った」などと綴っている。 さらに、過去の記録と比較し、「10年前に遡ると、2014年には3割打者が19人もいた。当時、ソフトバンクに所属していた李大浩も3割を記録し、パシフィックリーグで6位にランクインしていた」と指摘。 また、2020年から今季まで5シーズンの3割打者数の推移を、「12人→11人→6人→5人→3人」と説明しながら、「日本では3割打者が年々、希少になっている」と強調する。 その上で同メディアは、この現象に対し、「現在は投手が支配する『投高打低』の傾向がより強まっている。打者の能力が低下したわけではなく、投手力が向上した結果だ。優れた制球力に加え、精巧な変化球を操り、球速も向上している。時速150キロ以上の速球を投げる投手が簡単に見つかる」と見解を示している。 他にも、「2020年代に入ってから3割打者が1人もいない球団が3チーム存在する。それが巨人、ロッテ、楽天だ」と論じるなど、NPBの打撃事情を掘り下げている。海外メディアも注視するこの傾向は2025年シーズンもさらに強まっていくのだろうか。ペナントレースの行方とともに、ファンにとっての大きな関心事となっていくことは間違いないだろう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]