【米国株ウォッチ】アップルQ4決算は31日発表予定、iPhone 16の初動が明らかに
アップル(ティッカーシンボル:AAPL)は米国時間10月31日に2024年度第4四半期(Q4)決算を発表し、同社の最新スマートフォンであるiPhone 16の初動が明らかになる予定だ。 アップル株は今年好調で、1月初旬から約23%上昇し、株価は史上最高値付近で取引されている。私たちは、今四半期の収益は前年同期比約13%増の945億ドル、EPS(1株あたりの純利益)は前年同期比約15%増の1.56ドルになると予想している。いずれの予想も市場のコンセンサスを若干上回る水準だ。 ■今後のカギを握るiPhone事業 IDCの予測によると、2024年7~9月のiPhone出荷台数は前年同期比3.5%増の5600万台だったが、スマートフォン市場全体におけるシェアはやや低下した。9月末に発売されたiPhone 16も成長の一因となったようだが、大規模なマーケティングキャンペーンや最新ソフトウェアアップデートにまつわる話題の中で前世代のiPhone 15がこの成長の最大の牽引役となったようだ。しかし、iPhoneは最大市場のひとつである中国において、ハイエンド市場で台頭してきたファーウェイなどとの競争の激化にさらされている。 前四半期にあたるQ3までの中華圏での収益は、前年同期比10%近くの減少となった。Mac事業は、顧客が購入を控え、最新のM4プロセッサーを搭載した新モデルを待っている可能性が高く、今四半期は厳しい時期になるだろう。デジタルサービス事業は、AppStoreの売上増加やその他のサブスクリプションサービスの利用率向上に牽引され、好調に推移するものと思われる。Q3のサービス事業の収益は14%増の242億ドル(約3兆7100億円)だった。 過去3年間におけるアップル株の年間リターンはS&P500種株価指数のリターンよりもかなり不安定である。2021年のリターンは35%、2022年はマイナス27%、2023年は49%だった。 私たちはアップルの目標株価を約219ドルとしており、これは米国時間10月25日の株価である約231ドルを若干下回る水準だ。アップルの株価は記事執筆時点で2024年度の予想利益の約35倍で取引されており、これは過去平均と比べると高い。しかし、アップルは、同社の最新デバイスにのみに対応する独自の生成AIの導入により、来期から収益成長が回復するはずだ。アップルの利益率も引き続き好調を維持するであろう。Q3までの売上総利益率は46%で、前年同期の約44%から改善し、過去最高水準に近づいている。
Trefis Team