S&P、アイルランドの格付け見通しを「ポジティブ」へ引き上げ
[15日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバル・レーティングは15日、アイルランドの格付け見通し(アウトルック)を「安定的」から「ポジティブ」へ引き上げた。S&Pは理由について「特に法人税収入にけん引された財政の大幅な超過達成を反映した」と説明した。 S&Pはアイルランドの格付けを、金融債務を履行する能力が非常に高いとする投資適格級の「AA」にしている。 格付け会社フィッチは今年5月、財政の枠組みを評価してアイルランドの格付けを投資適格級の「AAマイナス」から「AA」へ引き上げていた。格付け会社ムーディーズも8月、アイルランドのアウトルックを「ポジティブ」へ引き上げた。 フィッチによると、アイルランドは主に米多国籍企業数社からの法人税収入が爆発的に増加した恩恵を受け、欧州で数少ない財政黒字国となっている。米アップルの税優遇を巡る追徴課税の収入により、2024年の財政黒字額は国民所得の7.5%に達すると見込んでいる。 一方、S&Pはアイルランドの24年の財政黒字額が国民所得の7.4%となり、アップルからの追徴課税の収入を除くと2.8%になると予想している。