有原に続き上沢も…再度の「メジャー経由ソフトバンク入り」に問題提起した新庄監督の思い 鬼筆のスポ魂
2023年オフ、日本ハムからポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦しながら、わずか1年で日本球界復帰を決めた上沢直之投手(30)について、当時快く送り出した日本ハム・新庄剛志監督(52)が初めて心境を語った。上沢が新天地に選んだのは、プロ1年目から12年在籍した古巣ではなく、同一リーグのソフトバンク。8日に取材対応した新庄監督は「すごく悲しいし、一緒にやりたかった」と残念がった上で、「プロ野球自体がその流れになってほしくない。(メジャーに)ポスティングで行って、あまり活躍できなくてソフトバンクに行くという流れ」と問題提起した。 【写真】笑顔で上沢の肩を抱く新庄監督 ■批判が噴出 上沢は昨年12月26日、福岡市内のホテルでソフトバンクの入団会見に臨み「僕もファイターズさんにはすごく感謝していますし、アメリカに挑戦させてもらったのもファイターズさんのおかげ。でも、もう一回、新しい環境で自分のレベルアップを。ホークスでプレーすることが自分を再構築する上で必要だと思った」と話した。単年契約のオファーを出していた日本ハムに対し、ソフトバンクとは4年総額約10億円で契約を結んだとみられる。 23年オフ、日本ハムはポスティングシステムでの大リーグ挑戦を志願した上沢を快く送り出した。結果的にレイズとマイナー契約を締結したため、球団に入る譲渡金は約90万円にとどまった。上沢は24年3月にレッドソックス移籍。メジャーではわずか2試合に登板しただけで、レッドソックス傘下3Aウースターから今オフ、フリーエージェント(FA)となっていた。一連の流れに野球ファンからは「育ててもらった球団に恩義はないのか?」「現状のルールでは非はないが、心情的には許せない」という批判の声が噴出した。 ■ライバル球団へ 日本ハムから米国経由でソフトバンク入団と、上沢と同じような経緯をたどったのが有原航平投手(32)だ。日本ハム時代の19年に最多勝に輝いた有原は20年オフ、ポスティングシステムを利用してレンジャーズに移籍。2年間で通算3勝にとどまると、23年1月、3年総額15億円規模の大型契約でソフトバンク入り。移籍後は2年連続で2桁勝利を挙げ、2度目の最多勝(14勝)を獲得した昨季は4年ぶりのリーグ制覇に大きく貢献した。 新庄監督は4季目の指揮を執る25年シーズンへ向け「(昨季は)ホークスにクライマックス・シリーズ(CS)でボコボコにやっつけられた。やり返したい」と意気込んでいた。ところが、米国へ送り出したエース級をまたも優勝を争うライバル球団に奪われたのだから、心穏やかではないだろう。