「あの頃のままだったらゾッとする」高校中退芸人 TKO木下が語るネガティブを変換する理由
大切にしているのは明石家さんまさんの言葉
――高校を中退する際に悩まなかったのでしょうか? TKO木下: 申し訳ないけど、僕自身ネガティブな考え方をしたことがない。昔、明石家さんまさんが「チョイスはおもろい方」って言ってたんですよ。悩んだときにおもろいほうに行ったら後悔せん、っていう。面白いだけで行っちゃうと失敗するかもしれん。でも、失敗したときにまたチョイスしたらいいっていう。この言葉が僕の中でいまだに宝物です。 それと所属事務所を辞めて活動を再開する際、めちゃくちゃ周りに助けられました。いつまでも人を避けていると前に進めないと思うんです。こんな状況だけど、みんなとコミュニケーションを取っていくことによって、誰かが手を差し伸べてくれるかもしれない。だから、ピンチじゃなくチャンスやと思った方がいいですよね。 ――中退したことをネガティブに考えるんじゃなくて、ポジティブにということですね。 TKO木下: はい。例えば中退せんかったら、もっと最悪な人生を送ってたと思ってみたり。考え方は自由なので。僕も松竹芸能を退所したことは、「辞めたんやから次こうしよう」みたいなことを考えるきっかけをくれたと思ってて、もしいまだにあの頃の横柄な性格のままだったら、ゾッとしますね。何も変わってへんやんと。何かあったときが、自分が変われるきっかけと思った方がいいかなと思います。 ――いま現在、学校がつらくて辞めたい人もたくさんいると思いますが、どう思いますか? TKO木下: 僕も中退して偉そうに言える立場じゃないし、成功してるのかっていったら成功もしていない。だから「中退はええぞ」ということでもないと思うんですけど、結局僕は、ネタをつくって人生なんぼやと思ってるんです。人と出会うこと、その人に自分の経験したことを伝えること、それが幸せにつながっていく。お笑い芸人だからじゃなくて、人は全員ね。これをネタにするぞ、これで元を取るぞというのがあれば、後悔しないんじゃないかなと思います。 ---- 木下隆行 1972年生まれ。大阪府出身。1990年に木本武宏とともにお笑いコンビTKOを結成。2020年に後輩芸人へのパワハラにより、所属事務所を退所し、現在はフリーとして活動中。TKOの波乱万丈の半生を小説家 浜口倫太郎がまとめた著書「転落」(幻冬舎)が発売中。 ※この動画記事は、笑下村塾「たかまつななチャンネル」とYahoo! JAPANが共同で制作しました