３億円ホースのスターウェーブも新潟２歳Ｓに参戦

［ＧⅢ新潟２歳ステークス＝２０２４年８月２５日（日曜）２歳、新潟競馬場・芝外１６００メートル］ 　２００２年から新潟外回りコースを舞台に行われている新潟２歳Ｓ。マイル以上で行われる世代最初の重賞として定着している。その舞台設定ゆえ、暮れのＧⅠやクラシックとの関連性も高まり、２０１３年にはハープスター（ＧⅠ桜花賞）→イスラボニータ（ＧⅠ皐月賞）と１、２着馬が大出世。近年はやや鳴りを潜めていたものの、昨年の優勝馬アスコリピチェーノが阪神ＪＦを制し、桜花賞→ＮＨＫマイルＣ連続２着とＧⅠを好走し、世代をけん引する走りを見せた。今年もハイレベルな勝ち馬を送り出し、レースの価値を再アピールできるか。 　新馬戦の勝ちっぷりが最も光ったのは新種牡馬サートゥルナーリア産駒のコートアリシアン（牝・伊藤大）。東京マイルでの初戦は新馬らしいスローで全体時計は目立たないものの、次位を０秒７上回る上がり３３秒３の切れ味で差し切った。昨年の勝ち馬アスコリピチェーノも距離こそ違えど東京新馬戦（芝７ハロン）を３３秒３の末脚で快勝しており、アスコリピチェーノ同様に暮れや来年につながる重賞タイトルを手にしたいところだ。 　今夏の新潟新馬戦で５戦５勝と大暴れ中の森秀厩舎は、その勝ち上がり馬の中からシンフォーエバー（牡）を送り込む。今回と同じ新潟マイルの舞台で、逃げて３３秒３の脚でまとめた初戦が秀逸。コンプレキシティ産駒の同馬は米国のＯＢＳマーチセール出身で、２００２年以降では０３年ダイワンバンディット、２０年ショックアクションに続く外国産馬Ｖを狙う。 　セレクトセール〝３億円ホース〟のスターウェーブ（牡・武井）も注目の１頭。東京芝７ハロンの新馬戦ではその前評判にたがわぬパフォーマンスで差し切り勝ちを決めた。ラスト２ハロン１１秒３→１１秒２と加速ラップでの勝利で距離延長への対応力も示した。この世代のキングマン産駒にはすでにデビュー２連勝を決めたプリティディーヴァがおり、揃ってキングマン旋風を巻き起こせるか。 　他では切れ味非凡なジョリーレーヌ（牝・大竹）、当舞台の新馬戦を鮮やかに差し切ったプロクレイア（牝・小林）、２３年のＧⅠ宝塚記念２着馬スルーセブンシーズをはじめ近親に活躍馬多数のトータルクラリティ（牡・池添）らも争覇圏。また、小倉芝９ハロンを勝って臨むマジカルフェアリー（牝・寺島）は「小倉デビュー組の新潟２歳Ｓ制覇はゼロ」というジンクス（０２年以降）を覆せるか。 　一方、唯一の２勝馬ケイテンアイジン（牡・谷）は九州産馬。ひまわり賞勝ち馬が小倉２歳Ｓではなくこちらに出走する。今年の同レースが中京施行ゆえかもしれないが、その走りに注目が集まる。さらに全姉キタウイング（２２年）に続く姉妹制覇がかかるキタノクニカラ（小島）など話題性も豊富で見応えある一戦となりそうだ。