サッカー日本代表・遠藤航には“スーツ王”の称号が似合う!──「dunhill SPECIAL TALK SESSION WITH WATARU ENDO」 リポート
家族の環境を最優先!
──新天地、新しいチームに移籍する際に心掛けていることは何でしょうか? 自分よりもまずは家族です。家族が気持ちよく生活できること。だから家族の環境を整えることを最優先します。 ──一般的には、まず仕事があって、次に家族、と考えてしまいがちです。 ドイツに移籍した頃もまずは子供の学校から調べました。家や学校、病院、まずはそこから。サッカーの環境は大概揃っていますから、家族の環境を整えるのが僕の仕事です。リヴァプールはそのあたりのサポートもバッチリでしたから、安心して家族と移籍できました。 ──海外では、自分の意見を積極的に伝える姿勢が重要かと思います。 自分が日本国内のリーグに所属していて、A代表に入った頃は、海外組の先輩に『もっと自分の意見を伝えろ』と言われても、『サッカーがちゃんとできていればいい』ぐらいに考えていました。でも実際に自分が海外に行って、考えが変わりましたね。主張するのが当たり前の文化がある国に身を置いているわけで、自分から積極的に伝えないと理解してもらえないんです。わかってくれるはず、みたいなことはない。だから言いたいことはきちんと伝える。意識的に変えましたね。サッカー選手として生きていく上で主張しないと生き残れないということを学びました。 ──31歳の時点でプレミアのビッグクラブにいる姿は、若い頃に予想できていましたか? プレミアリーグでプレイしたい気持ちはありましたし、もっと早く行きたいとも思っていました。でもシュツットガルトのキャプテンをやっていて29歳、30歳になった頃に『プレミアに行けるのかな?』と考えていて、一方でプレミアを諦めかけたタイミングでオファーが来たので驚いたのは事実です。 ──目標設定はどのようにしていますか? 自分が努力すれば達成できるようなレベル、まずは短期的な目標を設定します。それをこなしていった先に、次の目標や夢につながっていくものと考えます。 ──代表チームでは五輪組も含めてどんどん若い世代が台頭しています。歳の離れた選手たちとどのようにコミュニケーションを取っていますか? 年齢に関係なく、まずは選手の性格を知ろうとすることですね。でも、真摯に向き合っていれば若い選手たちも振り向いてくれるので、自分の意見をしっかりと伝えながら、相手の目線で耳を傾けるだけです。 ──若い世代の代表選手はネクタイを緩めすぎたり、スーツを着崩しがちです。遠藤さんのようにダンヒルのスーツをかっこよく着こなしてほしいです。 着慣れないこともあって、なかなか若い世代には響かない部分もありますが、チームのスーツは数が多く揃えば揃うほどかっこいい。強豪国の選手が揃いのスーツを着こなしている姿はやっぱり絵になりますから、これからも根気強くアドバイスしていきます(笑)。 写真・ダンヒル提供 文と編集・神谷 晃(GQ)