全175カ所「コンプ」続出で景品底つき、運営大慌て 商店街スタンプラリーまさかの活況
大阪府が各地の商店街をめぐると電子スタンプでスタンプラリーができるというイベントを始めたところ、予想外の活況となっている。府内の175の商店街に赴いてスタンプラリーをするというイベントだが、全商店街をめぐる「完全制覇」が続出。なかには完全制覇を7回繰り返す挑戦者も現れ、昨年は景品が底をつく事態にもなっている。「シャッター通り化」など商店街の衰退が問題になる一方、魅力づくりに成功した商店街の事例も増えているという。 【写真】大阪の商店街を巡るデジタルスタンプラリーの冊子。スタンプを集めると「豪華景品」が当たる ■GPSで電子スタンプ スタンプラリーは「大阪府商店街魅力発見サイト『ええやん!大阪商店街』」のイベントページから会員登録して参加する。GPS(衛星利用測位システム)機能を活用して商店街を訪れると電子スタンプが1個獲得できる仕組みだ。 昨年は9~12月、府内136商店街で実施した。スタンプ5個獲得で大阪・関西万博のノベルティーグッズが、88個獲得で43型液晶テレビとゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」のセットがそれぞれ抽選で当たり、136個獲得で完全制覇すると、もれなく「商店街マスター」の認定書とドライヤーがもらえた。 結果、完全制覇した人が186人も出て、事務局は「景品が底をつき、慌てて買いに走った」という。 今年は8月1日から12月15日までの期間で開催中。商店街の数は175カ所に増やした。 88個獲得で電動自転車や空気清浄機、ニンテンドースイッチ、フットマッサージャーなどが抽選でもらえる。175個獲得し、完全制覇した人には全員に認定証を進呈。さらに制覇後、2巡目以降はスタンプ獲得数で上位3人に「大阪府知事賞」を贈る。 11月22日時点の集計では、参加者は昨年より倍増し、約6千人。すでに7巡目1118個獲得が1人、6巡目1001個獲得が1人、4巡目が5人いて、激しい上位争いを続けている。 ■成功事例収集、普及 府によると、約10年前の平成27年に約1000件存在していた商店街が、令和6年には約890件と約10%減少しているという。 廃業、退会などで加盟店が減り、活動を維持できなくなり解散に至るケースが多いという。