犬にニオイかぎをさせないとストレスに? 犬の「散歩ストレス」を獣医師が解説
犬はストレスが強すぎたり、繰り返しストレスにさらされ続けたりすると、問題行動や病気をまねくおそれがあるため注意が必要です。 【写真】クンクンする犬 そこで今回は、犬のストレスのなかから「散歩でありがちなストレス」を3つ取り上げ、飼い主さんが取るべき対応などについて、獣医師の藤本聖香先生に詳しく解説していただきました。
散歩中に十分にニオイかぎをさせない
犬の嗅覚は人の約1,000~1億倍ともいわれ、そのすぐれた嗅覚を使うことで「いつ、どんな人や犬が通ったか」などの情報収集をしています。散歩中にニオイかぎをさせてもらえないのは、人に例えると、スマホを取り上げられて知りたい情報が得られない状態と同じといえるでしょう。
迷惑がかからない安全な場所でニオイかぎをさせて
迷惑がかからない安全な場所を見極め、ニオイかぎをさせてあげましょう。夢中になってニオイをかいでいるときは、一生懸命情報処理をしている最中なので、ある程度は待ってあげてください。なかなか終わらないときは、鼻を上げたときに「行くよ」などと声をかけて歩き出すと、キリがよくなるでしょう。
歩きスマホをしながら散歩をしている
犬は飼い主さんとの散歩を楽しみにしています。コミュニケーションをとりたいのに飼い主さんがスマホを見ているのは、人でいうと、一緒に食事をしている相手がテレビに夢中になり、自分を眼中に入れてくれないようなもの。愛犬が不安な気持ちになるのはもちろんですが、そもそも散歩しながらの歩きスマホは危険なので絶対にNGです。
散歩中は愛犬に集中してコミュニケーションを
散歩中は愛犬に集中しましょう。愛犬が見てきたらやさしく微笑み返したり、声をかけたりしてしっかりとコミュニケーションを。安心するばかりか、愛犬の信頼度がアップし、絆がますます深まりますよ。
愛犬主導で散歩をしている
「犬を自由に散歩させたほうがよいのでは?」と思われがちですが、実は逆です。犬に前を歩かせるのは、安全確認など、犬自身がさまざまな判断をしないといけない状態。人に例えると、予備知識もない初めて行く国で、ガイドもスマホも地図もない状態で歩くようなもの。不安でいっぱいでしょう。
飼い主さんがルートを決めて安全確認を
飼い主さんがルートを決め、車が来たら立ち止まるなど、犬の安全確認もしてあげましょう。ツアーガイドになったつもりで、愛犬が満足する散歩コースを考えると楽しいですよ。 飼い主さんが愛犬のストレスをできるだけ軽減してあげることが大切です。 お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師) 参考/「いぬのきもち」2024年10月号『対策急務! 人に置き換えてそのヤバさがわかった! じつはしんどい 犬のストレス』 文/長谷部サチ ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
いぬのきもちWeb編集室