【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】次のスペインGPはシーズンの行方を占う重要な一戦になる!
連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE10 雨となった第9戦カナダGPは2番手からスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンがマクラーレンのランド・ノリスやメルセデスのジョージ・ラッセルらの追撃を振り切り、今季6勝目を挙げた。 【写真】「スペインGPからの3連戦は見逃せない」と話す堂本光一 RBと2025年シーズン末までの契約延長を発表した角田裕毅(つのだ・ゆうき)は入賞圏内を走行していたレース終盤にスピン、惜しくも入賞を逃がした。 * * * ■優勝のモナコから一転、不調に陥ったフェラーリ 第9戦カナダGPの舞台となったモントリオールのジル・ビルヌーブは、公園の周回路を利用したサーキットです。ストレートをシケインとヘアピンで組み合わせた典型的なストップ&ゴーのレイアウトで、市街地コースが舞台の第8戦モナコGPと同様にマシンのポテンシャルが出にくいコースといえます。 予選は白熱したタイムアタック合戦が展開され、メルセデスのラッセル選手とフェルスタッペン選手がともに1分12秒000という1000分1秒まで同タイム(!)を記録。先にタイムを出したラッセル選手がポールポジションを獲得し、フェルスタッペン選手は2番手からのスタートとなりました。 前戦のモナコでシャルル・ルクレール選手が優勝、カルロス・サインツ選手が3位に入り、ダブル表彰台を獲得したフェラーリ。モントリオールでも注目していたのですが、予選から振るいませんでしたね。ルクレール選手は11位、サインツ選手は12位と2台そろってトップ10にすら入れませんでした。 昨年までのフェラーリは、予選での一発のタイムは速いけれど決勝では苦しむというパターンが多かったですが、今年は決勝でのパフォーマンス向上を目指して、タイヤに優しいマシンになっているように見えます。 タイヤに優しいということは、タイヤに熱が入りにくいというデメリットもあります。特にモントリオールのような高速コーナーがない、横方向の力がかかりにくいサーキットではタイヤに熱は入りづらい。しかも今年の予選は曇りで気温が低く、フェラーリの両ドライバーはタイヤを適切な温度まで上げられず、グリップ不足を訴えていました。 フェラーリ以上に苦しんでいたのはレッドブルのセルジオ・ペレス選手です。モントリオールでは予選16番手に終わり、モナコに続いてカナダでもQ1で敗退。予選でトップ10に入れなかったのは3戦連続となります。フェラーリやマクラーレンが速くなってきたとはいえ、レッドブルのマシンは予選で上位に入れる競争力は十分にあるはずです。 決勝でもペレス選手はクラッシュを喫してリタイア。2戦連続でノーポイントに終わりました。ここ数戦、ペレス選手はスランプというか、完全に調子を落としているように見えます。レッドブルはカナダGPの前にペレス選手との契約を2026年シーズン末まで2年間延長することを発表しました。でもペレス選手がこんな走りを続けていると、レッドブルのコンストラクターズチャンピオン3連覇は危うくなってくると思います。