「強すぎるトランプ政権」誕生で日本人の暮らしはどう変わる?「弱すぎる石破政権」との日米関係には不安しか…
● 「強すぎるトランプ大統領」と 「弱すぎる石破首相」の日米関係 「強すぎるトランプ大統領」が誕生することで一番の懸念は、国民民主党などの政策協力がなければ何も前に進められない「弱すぎる石破首相」の存在である。 衆議院選挙での自民党大敗北で、衆議院に17ある常任委員長ポストのうち予算委員長や法務委員長など8つのポストを立憲民主党など野党に握られたことは、自公主導での国会運営が極めて厳しくなったことを意味する。 それ以前に、トランプとの関係で言えば、「石破首相とトランプ氏とではソリが合わない」(自民党閣僚経験者)との声が多いのだ。 冒頭で述べたように、2016年以降、トランプを見続けてきた筆者も同じ見方をしている。トランプは感覚の人だ。理詰めの石破首相とは正反対だ。安倍晋三元首相や麻生太郎最高顧問のような腹芸ができるキャラとは円滑なコミュニケーションができるが、議論を好む石破首相のようなタイプは好みではない。 安倍氏の場合はゴルフで関係を構築できた。ただ、石破首相の場合、慶応義塾高時代はゴルフ部に所属していたものの、今はゴルフをやらない。 筆者が以前、「石破さん、ゴルフはやるんですか?」と問いかけた際も、「ん?ゴルフ?昔はゴルフ部におりましたけどね」と素っ気なく語る程度だった。 激戦を制し、議会選挙でも過半数を取って勢いに乗るトランプと、勝負を賭けた選挙で大敗し、国民民主党にひれ伏さなければ(その国民民主党も、玉木代表の不倫騒動でイメージダウンだが)政権が維持できない石破首相とは立場も違う。石破首相が得意のカレーを作って振る舞う程度ではうまくいくまい。 事実、安倍氏とトランプの最初の電話会談は25分も続いたのに対し、石破首相の場合、11月7日の初の電話会談はわずか5分で終了している。近く対面での会談もあるだろうが、トランプは合わない人に合わせようとするほど大人ではない。それが日米関係において最大のリスクかもしれない。 (政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学教授 清水克彦)
清水克彦