プーチンの危機情報を発信する「SVR将軍」の謎
SNS「テレグラム」の「SVR将軍」アカウント。その創設者と見られることの多いソロヴェイ博士(右下)は、YouTubeで自ら情報発信を続けている
ロシア情報機関元高官を名乗る謎の人物が主宰するSNSチャンネル「対外情報庁(SVR)将軍」が、 ウラジーミル・プーチン露大統領の「心身の健康悪化」や「側近によるクーデター謀議」など、事実なら政権危機に直結する情報 を、ウクライナ侵攻で苦戦するクレムリン中枢からのリークとして発信し続けている。 真偽の検証が困難な内容が多く、同チャンネルを当局の情報操作のワナとする警戒論がある一方、当局の造反分子の暴露情報として信頼する識者もいる。「SVR将軍」をめぐる状況には、権限や情報を情報機関が独占するプーチン独裁下の警察国家の深い闇がのぞいている。 「SVR将軍」は2020年にネット上に出現した。現在は SNS「テレグラム」 と 動画(YouTube) のチャンネルが存在する。主宰者の男性は「SVR退役中将」を名乗るもののフルネームは明かさず、動画版では加工した“覆面画像”か、音声のみで登場する。ほかに「セルゲイ・ジルノフSVR予備役大佐」と名乗る人物も、「仲間」として画像発信に参加するので、少なくとも外見上は反体制派の情報機関OBらを核とするチャンネル、という設定だ。
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古本朗