北海道

　医療法人「北武会」が運営する「美しが丘病院」（札幌市清田区）が20日、賃金未払い分の支払いを求めて提訴している同病院の看護師に対し、再雇用契約書を出していたにもかかわらず、現契約が終わる23日で雇い止めすると通知した。病院の労働組合が、通知の撤回と団体交渉を求める方針だ。 　通知を受けたのは、労組支部長の看護師・佐々木晴見さん（63）。毎年1年ごとの再雇用契約書を更新してきたが、誕生日を前に送られてきた契約書に「更新は今回限り。満65歳で契約終了」と来年9月23日で雇い止めとなることが記載されていた。 　昨年までの契約書に更新上限の記載はなく、ほかの同僚で65歳を超えて働く人も複数いる。このため、佐々木さんは、病院側が示した契約書を提出したうえで、労組として団体交渉を求めた。団交の申入書で「更新上限条項は法的に無効」と主張し、65歳を超えても雇用継続を求めている。 　これに対して病院側は20日、満65歳での契約終了を条件とする再雇用に「（佐々木さんに）契約意思がないことは明らか」だとし「契約は成立せず、23日付で退職になる」と通知した。 　佐々木さんら16人は8月15日、制服に着替える時間は労働時間にあたるなどとして、賃金の未払い分計約4700万円を病院側に求める訴訟を起こしている。今回の雇い止め通知を受けて労組は、雇用継続を求める訴訟も検討する方針という。（丸石伸一）