いま日本が学ぶべき「安倍晋三・トランプ外交」の”スゴすぎる舞台裏”と、安倍晋三が漏らした「アメリカへの本音」の”意外な中身”…!
熾烈を極めた米大統領戦を制し、トランプ氏がついに返り咲きを果たした。予想範囲内とはいえ、各国の指導者たちは「予測不能の男」に戦々恐々の思いを抱いているかもしれない。 【写真で振り返る】安倍元首相、世界各国要人との“意外ショット”続々…! 一方、日本にはトランプ氏との良好な関係を築き上げた安倍晋三元首相の遺産がある。安倍元首相の対米外交からは、日本がこれからトランプ大統領時代の幕開けに準備しておくヒントがふんだんに隠されている。 今回はそんな安倍氏の最側近記者として知られる産経新聞の阿比留瑠比記者が手掛けた話題の書『安倍晋三"最後の肉声" 最側近記者との対話メモ』(産経新聞出版)から、安倍氏の対米外交の“知られざる舞台裏”から安倍氏が明かしていた"赤裸々な本音"などを、一部抜粋・再構成してお届けする。
「米国には歴史問題でとやかくいわれたくない」
安倍外交について、野党や左派マスコミはまるで対米追随路線であるかのように批判することが多かった。だが、実際に安倍氏の取材をしていて、そんな印象を持ったことはない。 むしろ、米国の無知や傲慢、身勝手な善意の押し付けには厳しい態度で反論していた。特に米国の日本の歴史認識問題に対する口出しに関しては、こんなことを語るのを聞いたこともある。 「そもそも日本に2発の原子爆弾を落とし、(無辜の民間人を意図的に狙った)東京大空襲を行った米国に、歴史問題についてとやかく言われたくない。米国にそれを言う資格はあるか」 知日派といわれる米国の対日専門家らとは、日頃は親しく振る舞っていたが、歴史問題ではその限りではなかった。共和党系のアーミテージ元国務副長官が、安倍氏に慰安婦問題などでの韓国への譲歩を求めた際には、こう反論した。 「日本の保守派は親米派が多いが、米国による原爆投下や東京大空襲を忘れたわけではない。あまり米側が慰安婦問題などを言い募れば、彼らもそうした過去を言い出すことになる」 安倍氏の勢いに、アーミテージ氏は「そうなのですか」と黙って引き下がったという。