難病の高校3年・守谷さん 患者らを励ます音色 倉敷中央病院(岡山県倉敷市)でピアノコンサート
呼吸が突然止まったり、浅くなったりする難病と闘う高校3年生の守谷友希さん(17)=岡山県総社市=が8日、倉敷中央病院(同県倉敷市美和)でピアノコンサートを開いた。人工呼吸器や酸素吸入が24時間欠かせない生活を続けながら、演奏が患者の力になればと練習に励んできた。会場は鍵盤から紡ぎ出される柔らかな音色に包まれた。 【動画】柔らかな音色を奏でる守谷さん 会場に詰めかけた約200人が見守る中、守谷さんは制服姿で登場。ショパンの「ノクターン第2番」やディズニーソングなど6曲を披露した後、アンコールにも応えた。 演奏中は闘病生活を振り返る写真がスクリーンに投影され、涙を拭いながら見入る人も。家族の付き添いで病院を訪れていた浅口市立金光小2年の男子児童(8)は「病気に負けないぞという気持ちが伝わってきた」と感想を話した。 守谷さんは生後9カ月のころから、昼寝の最中に何度も呼吸が止まるなどし、呼吸中枢や自律神経に障害がある「先天性中枢性低換気症候群」と分かった。国指定の難病で、患者は全国に100人ほどしかいない。 入退院を繰り返す中で支えとなったのが、4歳から始めたピアノだったという。人前で演奏する機会は少なかったが、昨年夏に倉敷中央病院が企画するコンサートに初めて出演、今年もさらに多くの人に聴いてもらおうと演奏することにした。 守谷さんは「自分が前向きで諦めなければ何でもできるということを、演奏を通じてたくさんの人に知ってもらえたと思う」と話していた。