サインツSr 横転 前回覇者いきなり試練、序盤のヤマ場で波乱起こる【ダカールラリー】
第47回ダカールラリー 第2ステージ前半 5日 ビシャ(サウジアラビア) ペン=田村尚之 カメラ=多賀まりお 序盤のヤマ場を迎えて、いきなり波乱が起きた。前回大会の覇者で、Mスポーツ・フォードに移籍したカルロス・サインツSr(62)=スペイン=が転倒。市販車クラスの中スポ/トーチュウ号「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)」の三浦昂(41)も、トラブルでコース上に3時間近くもストップした。ともに再発進できたが、早々と大きなロスを背負うことになった。この日は2日間にわたる48時間クロノ前半部分のため、公式リザルトは出ない。 新天地で連覇を狙っていたサインツSrが、クラッシュでいきなり大きく遅れた。10番手前後のペースで走っていた327キロ地点で、小さな砂丘から滑り落ちるかたちで横転。乗員にケガはなかったとはいえ、天井を下にした逆さまの状態で止まってしまった。 運良く駆けつけた同僚の助けを借り、何とかクルマをひっくり返せたものの、車体後部のカウルは大きく破損して無残に引きちぎられた。それでも猛然と追い上げて上位陣と同じビバークEまでたどり着いたが、626キロ地点の暫定順位は25番手まで後退。暫定首位に立ったオーバードライブのヤジード・アルラジから約1時間も遅れてしまった。
前日の第1ステージは8位。「(戦略的に)もう少し後ろでゴールした方が良かったけど、48時間クロノに全力で取り組む」と闘志満々で第2ステージに挑むも、思わぬ大ブレーキとなった。 もう1人の有力選手、昨年大会でサインツSrと最後まで優勝を争ったセバスチャン・ローブ(ダチア)も失速した。350キロ過ぎにエンジンと思われるトラブルに見舞われて10分近くもストップ。暫定17番手まで落ち、暫定首位に30分以上も離された。 今大会は難易度の高いルートが数多く設定されているという。いきなり1時間もビハインドを背負ったサインツSrの挽回も不可能とは言えないものの、よほどの幸運に恵まれない限り、再び上位に返り咲くのは難しい状況だ。 スタートから2日目にして、昨年大会の主役2人が大きく後退。波乱含みの滑り出しが、まれに見る大荒れの大会を予感させる。
中日スポーツ