「滑り込み」「駆け抜け」はどちらが速い? 強豪校実践…“イチロー流”走塁の検証結果
躊躇、怪我のリスク…一塁にはヘッドスライディングより「駆け抜けの方がいい」
それでは一塁へのヘッドスライディングはどうか。夏の甲子園で最後の打者が一塁に頭から飛び込むシーンはもはや風物詩となっているが、森本監督は「基本的には駆け抜けの方がいいと思います」と断言する。 「ヘッドスライディングだと躊躇もありますし、あとは怪我のリスクもあります。見やすい、見えにくいというジャッジの点に関しても、駆け抜けの方が合理的です」 森本監督は、今年から侍ジャパン大学代表のコーチを務め、7月に開催される「プラハベースボールウイーク」(チェコ)、「ハーレムベースボールウイーク」(オランダ)に帯同。研究対象となるような世界の選手やプレーも多いだろう。 「野球をやっている上で、みなさんが疑問に思っていることは、実はそんなに明らかになっていないことが多いです。それを科学的な手法を使って明らかにできるのであれば、今後もやっていきたいなと思います」 現場で生まれた疑問を、研究でつまびらかにして、現場へと落とし込んでいく。森本監督は今後も、指導者と学者の両側面から、野球界の発展に寄与していく。
内田勝治 / Katsuharu Uchida