はやぶさ2のリュウグウ観測でJAXA会見(全文1)赤道の重力は地球の8万分の1
「BOX-B運用」の説明
吉川:それでは吉川のほうから、失礼しました。7ページからご紹介したいと思います。7ページ、ミッションの現状ですけれども、このあと少し詳しくお話ししますが、現在BOX-B運用というのを行っております。これは8月24日から、探査機の位置を水平方向にプラス9キロメートルほどずらしていくという運用でして、このあとご説明したいと思います。写真も撮っていますので、今日は1枚ご紹介したいと思っています。それから今まさに今月および来月10月に行う接近運用の準備を行っているところでして、特に来週9月11日から12日にタッチダウン運用リハーサルの1というのをやりますので、これも今日の資料に入っています。後ほどご紹介があります。 では次のページで、8ページにいきますと、これがBOX-B運用というものでして、探査機は通常は小惑星から20キロメートル離れたホームポジションにいるわけですけれども、今回は距離的には20キロのまま、この図でいきますと、まず上の方向、+y方向に9キロメートル移動しまして、これが8月24日の時点ですね。そのあと斜め方向に今度は-x軸方向なんですが、に9キロメートル、8月31と書いてあるところまで移動して、現在はまたホームポジションに戻る、もうすぐ戻り終わるという状況です。 これは、この図は先ほど久保田のほうが言いましたけれど、向きがまた逆になっていまして、上が南極、これは太陽系を眺めたときに地球の北極が上になるようにと、同じ方向で描いてあるわけですけれども、南極に大きなボルダーがあります。その南極側をまず観測したいというので、+y方向に9キロメートル移動しました。さらにそのあと、夕方側なんですね。これ、この図でいきますと逆行自転をしているわけで、この-x軸方向に9キロメートルということは、夕方側を斜め方向から見ようということで、そういうサイエンス的な運用を行うために、このBOX-B運用というのを今、行っているということになります。 次のページが1枚だけなんですが、BOX-Bで撮影された画像です。これは8月24日ですから、+y方向、9キロメートルから撮影したものでして、距離的には小惑星まで22キロメートルぐらいになってしまいますけれども、このように赤道が真ん中よりもちょっとこの図で言うと、上側になっていると。要するに南半球ですね、南極側、南半球を眺めて撮影していると。こういう写真が撮れているということになります。