もはやタイツは当たり前!? 夏ゴルフの疲労予防術【前編】
今年も連日猛暑日が続いている。2024年7月30日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、夏ゴルフで生まれる疲労について宮里優作の専属トレーナーを務める森本貴義氏に予防策を聞いている。ポイントは「着用」。一体どんなことが疲労予防に繋がるのか、みんゴルでも紹介しよう。
森本貴義 もりもとたかよし・73年京都府出身。アスレチックトレーナー、関西医療大学客員教授、PHPビジネスコーチ上級。約20年間、日米のプロ野球界で(オリックスやシアトルマリナーズなど)のトレーナーを務める。現在は宮里優作の専属トレーナーでもある。
「脱ぐ」ではなく「着る」を考えよう!
「夏の疲労の原因は、水分が失われることと紫外線に当たること。大きく分けてこの2つです」。こう語るのは、アスレチックトレーナーの森本貴義氏だ。 「気温が高いと水分は必然的に失われていく。また紫外線をたくさん浴びることにより疲労が大きくなることが最近のスポーツ医学で確認されています。紫外線は目から、そして皮膚からも吸収されます。なるべく皮膚に日光が当たらない状況にすることが大事です」 そこで、アンダーウェアの着用を考えたほうがいいと森本氏。タイツやアームカバーも皮膚を露出させないためには強い味方だ。 「今は昔に比べてかなり紫外線量が増えています。僕たちが子どもの頃は『日光浴』という言葉がありましたが、今そういう意味では日中5~10分、日にあたれば充分。それより日を浴びないほうの意識になったほうがいいんです」 女性はもちろん、若い男性も”美白ケア“をする時代。肌を焼きたいおじさまたちは要注意だ。 「皮膚がんのリスクもあるでしょうし、日に焼けると皺になる。その皺を目立たなくするためまた日に焼く、という悪循環になります」 また、アンダーウェアの機能が疲労軽減につながると森本氏。 「アンダーウェアは基本的にコンプレッションされています。これが疲労度を軽減することも確認されていて、脱いだ後に血流がよく回るというデータもある。また、普通のポロシャツなどよりは筋肉の出力が上がります。ですから軽装でゴルフするよりコンプレッションウェアを着けてゴルフをするほうが実は疲労の軽減になりますし、パフォーマンスもアップするんです。筋肉を締めているほうが筋力を測定したときにプラスに働く。普通のパンツとコンプレッションウェアを履かせてスクワットするのでは、後者のほうがいいデータが出るんです。たとえばジャンプ。ゴルフではスウィング中の地面反力と関係しますが、着用の有無でデータが違います」 野球選手は、夏場でも長いパンツの下にもタイツを履いたりアンダーウェアを着たりするという。 「野球ではここ10年くらいで着る人が増えました。イニングごとに着替えられることもある。もちろんゴルフもですが、今まであまり着用しなかったスポーツでもここ数年で増えました」