アルプス席に響くブラスバンド応援 3年ぶり生演奏 選抜高校野球
19日に開幕した第94回センバツ大会では、アルプス席でのブラスバンドによる応援の生演奏が3年ぶりに復活した。新型コロナウイルス禍により2020年は大会が中止され、21年は生演奏が禁止されていた。演奏する生徒たちにとっても待ちわびた舞台。春の到来も告げる音色を高らかに響かせ、球児らの熱戦を盛り上げている。 【名門vs初出場 大分舞鶴と浦和学院の熱戦を写真で】 この日の開幕試合で一塁側に登場した浦和学院(埼玉)は、南米ブラジルのサンバの軽快なリズムで1番から5番まである「浦学サンバ」をはじめ、オリジナルの応援曲で知られる。春夏通算25回目、夏春連続の甲子園だが、昨夏は録音音源による応援だった。吹奏楽部の56人全員にとって初めてのアルプススタンドだ。 野球部の森大監督は試合前日に「すごく楽しみにしている」、八谷晟歩主将(3年)も「応援が入ってプレーできるのは初めて。力になると思う」と期待。吹奏楽部の副部長で指揮担当の安井瑞稀さんは甲子園での応援にあこがれ、浦和学院に進学したという。「甲子園に連れてきてくれた野球部に元気なエールを送り、少しでも恩返しをしたい」と声を弾ませた。 三塁側で初出場の大分舞鶴は吹奏楽部の約50人が応援曲を演奏した。3月上旬から練習を始め、20パターン以上の曲を覚えたという。 大分県内では夏の地方大会でも球場での演奏が認められず、現役の吹奏楽部員が野球部を生演奏で応援するのは初めて。練習には卒業生も駆けつけ、アドバイスしてくれたという。吹奏楽部部長の熊谷紗衣さんは「甲子園で演奏できていると実感した。選手たちを信じ、ピンチでも後押ししたい」と話した。【平本絢子、辻本知大】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。