トランプ氏のビットコインマイナーへのアピールは、暗号資産は「非政治的」であるべきとの警告
地政学的シグナル?
しかし、これはひとつの意見に過ぎない。他にもたくさんの意見がある。例えば、ビットコイン・マガジンのアレックス・ベルジュロン(Alex Bergeron)氏は、トランプ氏の発言は暗号資産の重要性を示す強力なシグナルと主張している。 「世界で最も権力を持つ人物には、ビットコインマイニングが地政学的な問題であることを、他のあらゆる権力者たちに示してもらいたい。そうすれば、誰もがマイニングを始めるようになる。そうやってネットワークを分散化する」とベルジュロン氏は書き、気候変動の専門家でビットコイン政策サミット(Bitcoin Policy Summit)の共同創設者であるマーゴット・パエズ(Margot Paez)氏に反論した。 パエズ氏は、ハッシュレートの生産を一国に集中させることは、特に最近の記憶では政治家や規制当局が暗号資産を敵視している国では、おそらく賢明ではないと主張した。例えば、バイデン政権は、30%という高いビットコインマイニング税を課すアイデアを提案していた。 いずれにせよ、世界中にビットコイナーが存在し、アメリカ大統領でもマイニングを阻止することは難しいことを考えれば、ハッシュレートが特定の地域に集中することは考えにくい。 そうなると、ここでの本当の疑問は、米国が政府の支援や補助金によってビットコインマイニングを支配しようとすることをきっかけに、他の政府が国内のマイニングにインセンティブを与えるかどうかだ。あり得ないことに聞こえるかもしれないが、世界の指導者たちは、しばしば米国を参考にする。問題は、トランプ大統領の地位が世界のリーダーたちの間で著しく低いことだ。 そのため、トランプ氏の発言が実際にビットコインマイニングを動かすかどうか、判断は難しい。特に、トランプ氏の暗号資産支持の発言を迎合と取るべきか、褒め言葉と取るべきか、判断できないからだ。トランプ氏は確かにビットコイナーたちの間で評価が分かれる人物だ。