「猫の世話は楽」という予想を覆されたあの日 それでも2匹はかけがえのない存在に
「猫もいいよ」
食べ物は重たいドアのついた戸棚や冷蔵庫に必ずしまうようにした。ゴミ箱には、水の入ったペットボトルを何本も置き、蓋をあけられないようにした。 猫にしつけは通用しない。やってほしくないことがあれば、そうしないように人間のほうが環境を整える必要がある。またある程度、マイペースな猫の習性に人間が合わせなければならないことを、須賀子さんは学んだ。 モモとブランが家に来て2年がたった今、行動はだいぶ落ち着き、おとなになった。夜の運動会も、たまにしかしなくなった。 それでもときどき、喧嘩(けんか)なのかじゃれあっているのかわからない様子であたりを転げ回る。おとなしいなと思えば、くっついて眠りこけている。須賀子さんに甘え、2匹でひざの取り合いをする。 そんな日常は、須賀子さんにとってかけがえのないものだ。 犬を亡くした友人が、また犬を飼おうかどうしようか迷っているとき、「猫もいいよ」と須賀子さんは話している。