【箱根駅伝】「大手町で笑おう」が合言葉の青山学院大 山区間の経験者が残っていることを強みに、前半型オーダーで連覇を狙う
大会4連覇を果たしたとき以来の連覇へ――。第101回箱根駅伝で優勝を狙う青山学院大学が12月12日、東京都内の青山キャンパスで壮行会と記者会見を開いた。主将の田中悠登(4年、敦賀気比)をはじめ、太田蒼生(4年、大牟田)や鶴川正也(4年、九州学院)、野村昭夢(4年、鹿児島城西)、若林宏樹(4年、洛南)といった主力の最上級生が集結。この時点で順調な調整ぶりをアピールした。 【写真】第100回箱根駅伝で往路優勝のフィニッシュテープを切った若林宏樹
前回は主力が寝込んでいた壮行会、今年は「良い状態」
前回は12月14日に壮行会を開催し、エントリーメンバー16人のうち10人が出席。しかし、エースの一人だった佐藤一世(現・SGホールディングス)はいなかった。原晋監督は今年の壮行会で「昨年を振り返ってみますと、12月12日は佐藤が盲腸になり、寝込んでおりました」と明かし、「他の選手も16人中13人がインフルエンザにかかり、ようやく熱が下がって練習に復帰させようという流れで、危機的な状況からのリスタートでした」と語った。 昨年12月28日の全体ミーティングで原監督が「準優勝でいいよ」と選手に伝えるほど状態が不安視されたが、選手たちはそこから奮起。3区の太田が前を行く駒澤大学を抜いて先頭に立つと、その後はリードをぐんぐんと広げて復路は独走。第98回大会で自校がマークした大会記録を更新する10時間41分25秒の圧勝だった。 あれから1年。「今年は非常に良い状態に仕上がっています」と原監督は自信を持つ。「富津での選抜強化合宿でも例年以上のタイムが出ていますし、故障者や体調不良者も今のところ出ていません」。あとは、前年経験したようなインフルエンザの蔓延(まんえん)などの感染症を防げれば「おのずと結果がついてくるものだと確信しています」と力強かった。
山区間の経験者が残っていることを強みに
大会連覇を占う上で重要になるのは、やはり山区間だろう。青山学院大は5区の山登り、6区の山下りともに経験者が残っていることが、大きな強みとなっている。 過去に2度の5区を経験し、1年時に区間3位、前回は区間記録を更新しての2位だった若林は、ラストイヤーとなる今回も山登りを希望する。「入学前から箱根駅伝5区に憧れを持っていて『山の神になりたい』と思って入学しました。最後の山登りになるので、最高の笑顔でゴールしたいと思います」と宣言。1年目は風が強く、前回は大雨が降る中での走りとなり「天候への対策」が一つのポイントとなる。 6区の最有力候補は野村だ。1年目に原監督から「下りで行けるんじゃないか」と言われてから、6区をめざすようになった。ただ故障もあって、実際に走れたのは前回が初めて。58分14秒で区間2位の好タイムを出し、「監督を信じて下りに行ってよかった」と感謝する。ラストイヤーでは、東海大学の館澤亨次(現・DeNA)が2020年の第96回大会でマークした57分17秒の更新を狙う。「第100回大会と比べてより成長できているので、切れる自信はあります」と誓った。