【箱根駅伝】「大手町で笑おう」が合言葉の青山学院大 山区間の経験者が残っていることを強みに、前半型オーダーで連覇を狙う
田中悠登と太田蒼生は最終10区を希望
今年のチームスローガン「大手町で笑おう」を体現すべく、最終10区を希望しているのが田中と太田だ。特に田中は前回の箱根駅伝直前に足のケガが悪化し、出走することができなかった。この経験が、いまのチームをまとめる上での原動力になっていると明かす。 「そこで逃げずにチームのために行動して、最後にアンカーの宇田川(瞬矢、3年、東農大三)を迎えたとき、大手町の景色がきれいで、悔しい気持ちはありつつ『最後まで逃げなくて良かった』という気持ちになりました。だからこそ、10人しか走れない中で、もし走れなかったとしても、最後の最後までチームと一緒に戦ってほしいという声がけをしてきました。全員がそういった景色を見ることができれば、おのずと大手町で笑えるチームになると思っています」。仲間が待つフィニッシュ地点に、笑顔で戻ってきたいという思いは、人一倍強い。 前回3区で優勝の立役者となった太田には、4年間での成長点に関する質問が飛んだ。「1年目は『思った以上の結果を出せた』というのが正直なところですが、2年目3年目となるにつれて『想像通り、イメージ通りの走りをすることができた』と思うようになりました」と太田。毎年箱根駅伝が終わった2日後から、次の箱根駅伝をイメージしてきたという。「俺が箱根を勝たせてやる、それぐらいの気持ちで臨みたいと思います。個人最後の目標である区間新を達成して終わりたい」
鶴川正也「陸上が大好き」と思えるようになった
原監督は今回も前半からエース級を並べて、攻めのレースを展開することが予想される。その上でカギとなるのは、今年の出雲駅伝1区区間賞、全日本大学駅伝2区区間賞の鶴川だ。これまでもスピードランナーとして期待されながら、故障に悩まされ、ラストイヤーで初めて箱根路のエントリーメンバー16人に名を連ねた。 本人は「1~4区」を希望する。「一番の強みは、レースで100%以上の力を出すことです。スパートだったら誰にも負けません」。ケガで苦しい時、箱根を走る同期や他のメンバーの姿を見て「自分も走りたい」と気持ちを奮い立たせてきた。「4年目に入って少しずつうまくいくようになって、『陸上競技が大好きだな』と毎日思えるようになりました」と鶴川。原監督がチームの「エース」と認める実力を、箱根路で披露するときがやってきた。
井上翔太