全長3.6mで「6人乗り」! 当時140万円の三菱「タウンボックスワイド」が凄かった! 「これはヤバい」「座ってみたい」の声も お手軽「スライドドアミニバン」に今でも反響
軽自動車サイズなのに全席独立「6人乗り」
ボディサイズの拡大が進む新車ですが、かつてはミニバンであっても非常にコンパクトなモデルも多くありました。 なかでも、三菱はかつて、全長4mほどのサイズに3列シートを配したモデルがありました。SNSなどには現在もなお、多くのコメントが投稿されています。 【画像】超カッコイイ! これが全長3.6mの「超コンパクトミニバン」です!(20枚)
SUVが台頭する現在でも、多人数が乗れる両側スライドドアミニバンは非常に高い人気を持ちます。 特に、ミディアムサイズのトヨタ「ノア/ヴォクシー」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」はミニバン人気を下支えする「5ナンバーミニバン御三家」とも言われました。 しかし近年、これらのモデルもボディサイズの大型化が進み、セレナの標準モデルを除いて全車が全幅1700mmを超える3ナンバー車になりました。 それゆえに、コンパクトサイズを求める人も多く、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」などの小型ミニバンが主力となっています。 しかし、三菱はわずか2年だけ、「タウンボックスワイド」というコンパクトミニバンを販売していたのです。 1999年に登場したタウンボックスワイドは、軽ワンボックス「タウンボックス」をベースに、全長を伸ばして6人乗りとしたモデルです。 ボディサイズは全長3605mm×全幅1535mm×全高1810mmとなっており、タウンボックスと比べると、210mm長く、60mm幅広く、全高は80mmダウン。ホイールベースは2390mmで共通です。 エクステリアでは、専用大型前後バンパーを装備したほか、ヘッドライトのデザインを三角形状に変更。ボディサイドにはバンパーから連続する形でホイールアーチやサイドを拡幅させる専用ガーニッシュを装着しています。 インテリアはタウンボックスワイドのコンセプトである「4+2シートのリッターBOXYワゴン」の通り、基本は4人乗りとしつつもラゲッジスペースに跳ね上げ式のサードシートを装備。タウンボックスの積載性を損なわないようなものとなっています。 とはいえ、室内空間はほぼ軽自動車と同等であったほか、3列目シートは折りたたんで壁面に格納する「補助席」のような簡素なもの。「4+2」という言葉の通り、当初から3列目シートはエマージェンシー用に用意されていたのでした。 一方、実はシートが全て独立しており、片側の2列目、3列目シートを格納することで、長尺物と4人を同時に乗せて移動できるなど、使い方によっては非常に便利であったことも事実です。 パワートレインは最大出力75馬力・最大トルク10.2kgmを発揮する1.1リッター直列4気筒に4速ATを組み合わせ、2WD(FR)と4WDの両方を用意しました。 トレッド幅(左右接地面距離)を前後も15mm広げるなど、走行安定性能も高めています。 新車時の価格は、2WDが139万8000円、4WDが151万8000円。グレードは1タイプのみでしたが、新車当時としても比較的安価だったことも大きな魅力でした。 そんなタウンボックスワイドは三菱の不正なども重なり、販売面では大苦戦。登場からわずか2年、3500台弱を販売して早々に姿を消すこととなりました。 ※ ※ ※ タウンボックスワイドの生産終了から23年が経過した現在、大きくて豪華な3列目シートミニバンが大多数を占めるようになり、このような簡素なモデルは1台も存在しません。 しかし、SNSなどでは「昨日、公道でタウンボックスワイドを見た」「タウンボックスワイドいてびっくり」など、タウンボックスワイドの発見情報が複数投稿されるほどの注目ぶり。 また、「この3列目に座ってみたかった」「現物見たことないけど、写真を見る限りではこれはやばい気がする」など、非常に割り切ったスタイリングが現在になって高い関心を寄せているようです。 新車価格の高騰が続く中、こうした安価でシンプルなモデルがあってもいいのかもしれません。
くるまのニュース編集部