「 デブって親のせいだよね 」ママ友の囁きが突き刺さる。物価高騰で生活苦。加工品ばかり食べさせている娘は肥満化…そんな私は毒親ですか?
帝国データバンクが発表しているカレーライス物価指数をご存知だろうか?生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響を示す指数として用いられることも多い。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「家庭の定番メニューカレーライスに用いる食材や光熱費などの価格を鑑みて出された指数のことです。実はこのカレーライス物価が9月に364円になりました。360円を超えるのは過去10年で初めてのこと。物価上昇の波を如実に表しています」。 止まることを知らない物価高騰にため息を漏らす人も少なくない。 「オリーブオイルや米など、明らかに上昇する食材も多く、低所得世帯のみならず一般的な暮らしをしている人たちにとっても本当に厳しい世の中です。富裕層以外はみな大きな打撃を受けているでしょうね。育ち盛りの子供がいるご家庭なども苦しいことと察します」。 今回はそんなまさに逼迫する家計で四苦八苦している母に話を聞いた。 ----------------------------------------------------------------------------------------------
玉川翔子さん(仮名・48歳)は、4人の子供を持つ母だ。自身は介護ヘルパーとして働いている。夫は鍼灸院に勤めており、大学生、高校生、小学生2人がいる。 「働き始めたのは下の子が小学校に入ってから、きつい仕事の割には給料もさほど高くありません。でも特に手に職があるわけでもないので、仕事を選べる立場でもありません。夫は真面目な性格で残念ながら高額を稼ぐことは考えにくい。2人でなんとかギリギリの生活をしているという感じです」。 都内は家賃も高く、数年前に中古の一軒家を無理してローンで購入。 「子供が4人もいるとマンションでは手狭で。古い一軒家ですが多少うるさくしてもいいし、気にいってはいます。ただ、ボロが色々出てきていて、屋根の修理とか外壁塗装とか…やらなきゃならないことはわんさかあるんですけど、学費などもかかりますしなかなか手が回らないという状況ですね」。 何よりも家計を圧迫していると感じるのが、食費だ。 「ここ最近1番辛いのはお米。普通のスーパーで買うと5kgで4000円近くするんです。今は週末に大型の業務用スーパーに行って買い物をしています。昔は料理に合わせて油を変えたりしていましたが、オリーブオイルなんて今は買えません」。 高校生と小学生のお弁当もさらに家計を追い詰める。 「小学校は普通給食ですが、今年は給食室の改装に当たってしまってほぼ1年お弁当なんです。ただでさえ、厳しいのにお弁当だなんて。本当に頭を抱えています」。 栄養バランスも昔より悪くなっているように思う。 「正直、バランスを考えた献立を考える余裕はありませんね。加工品がすごく増えた気がします…。昔は家で揚げ物とかしていましたけど、今は油ももったいないし、パン粉とか小麦粉も高いのでもっぱら冷凍食品や見切り品の惣菜。業務用スーパーで購入するものばかりが食卓に並んでいます」。 ポテトサラダなどを作ることも減ったという。 「一から作ると材料費も手間も光熱費もかかるでしょう?結局、出来合いのモノを買う方が安い気がするんですよ。ハムとかきゅうりとかも高くて買えない日ありますから…」。 タンパク質や野菜の不足を炭水化物でなんとか埋めているそうだ。 「最近、子供たちの体重が気になり始めました。特に小学生の2人。やや肥満体型であることは否めません」。 野菜たっぷりの食卓を用意したくてもできない矛盾。そんな折、ショッキングな出来事が起こる。 「小学校の運動会でのことです。あるママがこんな話をしているのを聞いてしまったんです…」。 ー太ってる子って大体、栄養状態が悪いよね。貧乏か親が育児放棄気味でちゃんとしたもの食べていない感じがする。健康はお金じゃ買えないのにね~。 何気ない一言に翔子さんは深く傷ついたと話す。【後編】ではママ友のさらなる爆弾発言と翔子さんの憂いに迫る。 取材・文/橋本 千紗
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